猫トークを聞きながら

3月もあっという間に過ぎてしまいそうだなと思いながら日々を泳いでいる私です。
桜が咲き始めているのをちらほら見かけますが、春はいつ頃到来するのでしょうか。
果たして。


先日は下北沢のモナレコードに山田氏のライブを見に行き、
ひなたのねこ展の最後の模様を目に焼き付けて来ました。
今回は猫をきっかけに繋がったという栗コーダーカルテットの近藤研二さんとの演奏で、
トークゲストに絵本「ねこをもらったよ」の作者の木下綾乃さんを迎えて、
猫好き3人によるネコトーークが繰り広げられておりました。
山田氏がラジオ番組のホストの如く猫男子と猫女子の「やっぱり猫が好き!」という話を巧みに回しており、
流石毎日ラジオを聞いているだけあるなと思った次第です。
(木下さんもラジオ好きなのでラジオについてのトークも今度聞きたいと思いました)
近藤さんが猫の譲渡会に行った時の話が大変興味深く、
事前に小論文並みに猫への思いを書いて提出したり、
厳しい面接があるというのを初めて知ったんですが、
それでも結局可愛い猫に応募が殺到し抽選という形になったらしく何だかなあという話をしていて、
単純に「猫くーださい」「はい、あげまーす」みたいなものではないのだなと思った次第です。
(まあ命を預かるのだから当たり前ですが)
可愛い子に人気が集中し、片目のない子などハンディを持った子には応募がないという状況に複雑な思いも抱いたという話にもなるほどなあと思いましたね。
結局今回近藤家に連れて帰ることはなかったそうなんですが、
相性の合う猫と出会うというのもある種の奇跡みたいなものが働いているのかもしれないと思った次第です。
今回は猫にちなんだ曲だけを演奏するという内容でしたが、
カバーもあったし新曲もあったしで新鮮なセットでしたね。
新曲の「My favorite things」は以前山田氏が作詞の講座をしている時に
生徒が好きなアーティストについてはなかなか言わないのに嫌いなアーティストの名前はすらすら出てくるのを見て、
自分の好きな物を発表するのは実は勇気がいるのではないかと思ったところから生まれた曲だそうで、
自分の好きな物を次々と挙げて歌っていくのですが(ゾンビ映画も出てきます)、
かつてないくらい直接的なラブソングにもなっていて
初見(初聞?)の私の身体に水が染み渡るようにすんなり入って来て、
とても良い歌だなと思いました。
佐野元春の「ステキなことはステキだと無邪気に笑える心が好きさ」というフレーズを思い出しつつ、
自分の好きな物を愛でていくということは大事なことだなと
猫愛を語る3人の姿を見ながら思った次第です。
近藤さんの歌にそっと寄り添うような優しいギターも素晴らしく、
また彼がアレンジを担当した
「ポチの子守歌」もお洒落なコードで着替えされ全然違う歌のように聞こえ、
流石だなあと感心しつつも心に染み入りました。
今後あのアレンジをバンドでもやるなら演奏大変そうだなと思った自分もいましたが(笑)。
そんなこんなで最後まで猫愛に満ちた空間で楽しめました。


ひなたのねこ展、去年から私も招き猫だ演奏だトークだと絡ませていただきましたが、
ずらりとポチの写真が並ぶ光景も見納めかあと思うと何だかさみしい気にもなるものです。
まあ今や山田家にはポチ実という新顔もいるので新しいひなたのねこの物語が始まるのでありましょう。


会場では見知った人に挨拶などし、雨のそぼ降る中帰りました。
主に関西のお笑いが好きだという近藤さんの奥さんに
TBSラジオのJUNK枠や又吉の小説などを強く勧めてしまいましたがどうだったんでしょうか。
好きな物を発表するのは大事ですが、
プレゼンはまた別な能力が必要かもなあと思った私です。
欲しいものです、その力。


しかし春はまだでしょうか。
春は。