夏の旅 徳島編

旅の2日目は小豆島を早朝に出発し(Iさんがフェリー乗り場まで送ってくれました)、再び高松に渡り。そこからバスに揺られ徳島に移動するとそこではまたCちゃんの知り合いの高橋さんというお方がアテンド役として車を用意して待ってくれており。高橋さんは大阪から徳島に移住したという若き建築家で、建築設計の他、週末にはWEEKEND TAKAHASHI STOREという名で暮らしに寄り添うデザイン雑貨を販売しているというナイスガイで、我々の徳島観光をナイスに案内してくれたのでした。
そんなナイス観光、まずはここに寄らないわけにはいくまいということでaalto coffeeの庄野さんのお店14g(ワンフォージーと読みます)を訪ねまして。庄野さんには山田氏とのイベントでご一緒したり、鎌倉でもイベントに出ていただいたりと大変お世話になっているのであり、一度は行かねばと思っていたところでの来店だったんですが、噂通りの良いお店でしたね。お洒落な内装に落ち着くテーブル、スタッフの方も気持ち良く終始笑顔で。庄野夫妻も忙しい中わざわざ挨拶に来ていただき。庄野さんの奥さんが女優さんかと思うくらい綺麗な方だったので「やっと会えたね」という辻仁成式挨拶が口から出そうになったのですが、実際は緊張して「お、お…お世話に、なっております…」とキョどり気味な挨拶になってしまったんですが(笑)。そこで一同買い物などし、美味しく珈琲をいただきました。
その後店を後にし、一行は上勝という場所に向かいまして。高橋さんの身の上話を聞きながらの1時間ほどのドライブを経てやがて辿り着いた上勝は緑の山々に囲まれた深い田舎町という印象で。その山の奥の方へずんずん走って行くと目前に唐突にお洒落なカフェが建っており。あまりの唐突さに一瞬幻かと思ったくらいなんですが、ここはCafe Polestarというお店で、何を隠そう案内役の高橋さんが設計したお店なんだそうで。店内に入りその洗練された内装に一同「高橋さんいい仕事してますね〜」などと感心しながらランチをいただいたんですが、ご飯の方も本当に美味しかったですね。そこで高橋さんの扱っている雑貨なども購入したりし。
その後また移動し上勝のリサイクルの施設を見学しまして。この上勝という街はリサイクル率100パーセントを目指しているところらしく、かなり細分化されたゴミ収集場があり、不要になった洋服などの布をバッグや財布など新しい物に作り替えて販売する施設があったり、また不要なものを受け入れて県外の人に引き取ってもらう施設などもあり。塵ひとつ無駄にさせないぜという気迫にかなり圧倒された私ですが、考え方としては素晴らしいなと感心してしまった次第です。とりあえず私はリサイクルセンターにて本を1冊と張子のお面があったので引き取り持ち帰りました。(ちょっとした宝探し気分が味わえて楽しかったです。)
その後お土産を買ったり、上勝ビールという地ビールを飲ませるお店で休憩したり、川辺で笹舟を流してみたりなど夏休み気分を満喫しつつ夕方まで過ごし、今夜の宿のある場所までまた1時間ほど走りまして。
そして辿り着いた宿はホテルというよりはコテージといった風情で、合宿所みたいな雰囲気でしたが、出来たばかりだそうでお洒落で綺麗でしたね。食堂ではすでにシェフの方がご飯を用意してくれており。ここでは他の宿泊客と一緒にご飯を食べるシステムだそうで我々も長テーブルに着席したんですが、すでにいた先客チームが手前に3人、奥に1人が向かい合うというバランス悪い座り方をしており。これで私が奥側に詰めて座ると3対2で先客のチームの一員ぽくなってしまうのであり、出来れば先客のみなさんは2対2のフォーメーションに直してくれないかなあと思ったのですがまあ仕方ないかと私はひと席離れたところに座り。
喉が渇いていたので「ビール!ビール!ビール!」と「トラ!トラ!トラ!」の如きテンションでビールを待っていたらオーナーの方が「ようこそ〜」みたいな挨拶をし出し。その挨拶いらないから早くビール飲みたいなあと思いながらも聞いていたら「他の宿泊客との交流の場にしたいので自己紹介をお願いします〜」などと言うのであり。そのくだりいらないから早くビール飲みたいなあと思いながらも空気を悪くしても何なので笑顔で自己紹介をし。
自己紹介が終わるとシェフから料理説明があり、すだちの乗ったおにぎりやサラダ、茄子のおひたしや豆腐やメインにスペアリブというラインナップが確認され。それはもうとても美味しそうなのであり。大皿に乗った状態で出て来たんですが、数的にも位置的にもこっちは我々サイド、あっちは先客サイドのだなと把握し、真ん中より先客側に座っている私としては先客サイドの皿には手を付けまいと思いつつ乾杯し、まずは前菜から食べようとしたらあろうことか私の目の前に座っている先客サイドのおじさん(自己紹介でどこぞの施設の所長をしているとのこと)がいきなり我々の方のメインの皿からスペアリブをごそっと取るのであり。あれ、おじさんそれは我々サイドの皿ですよ!あなたたちのはそっちの皿ですよ!と思ったのですが、先客チームは3対1という不自然なフォーメーションを取っているゆえおじさんには我々サイドのスペアリブの方が距離が近い状況となり、つい取ってしまったと推測されるのであり。おいおい、だから2体2で座れって言ってんじゃんかよ(言ってないけど)、ていうか所長なら全体見渡して目の前のスペアリブが自分サイドのじゃないことくらい把握しろや〜、そんな視野狭窄で所長が務まるかボケ〜、と私は内心思いながらも我々のスペアリブが足らなくなったら先客サイドの皿から貰えるかなあと心配しながら見るも我々サイドからは結構距離があるのです。なかなか気軽に取れそうもないのです。何だよう〜と思いつつも空気を悪くしても何なので笑顔で食事をし。まあ全体美味しかったので良かったんですけどね。高橋さんとCちゃんの共通の友人でフィルブックスさんという古本屋の方も合流し、宴を楽しみ。しかし案の定嫁とKちゃんは「あれ、もうスペアリブないの?」とまさかのメイン食材が食べられない状況になっており、ボケ所長が真っ先に食べちゃったからだよと教えてあげるもどうすることも出来ず。というか先客サイドのスペアリブ皿はすでに空になっているのであり。
これはスペアリブ食べれず事件として記憶に残るなと思いつつも、まあ気を取り直して風呂にでも入るか、風呂だ風呂風呂〜とオリジナルの風呂音頭をご陽気に踊りながら「風呂はどこですか?」と聞くと「え、入るんですか?」と聞かれ。「え、逆にあなた入らないんですか?」と問いたい衝動に駆られたのですが、宿の人曰く「入るって聞いてないので湧かしてません」とのことで。お前、この暑い日に一日観光して汗だくになって宿に来たら普通風呂に入りたいと思うだろうがよ〜、事前に風呂申請が必要ならそれ明記しとけや〜、そんな視野狭窄で宿が勤まるかボケ〜、と全盛期の尾崎豊並みの反抗期に突入し盗んだバイクで走り出したい衝動に駆られたのですが、そんな元気も残っておらずただうなだれるに留まり。しかも「シャワーは使えるんですが23時までです」とのことで。その時点で22時になっているのであり。それってお前が23時に帰りたいだけだろうが〜、せめて風呂がないならシャワーくらい24時間使わせろや〜と全盛期の尾崎豊並みの反抗期後編に突入し、窓ガラスを全部割りたい衝動に駆られたのですが、そんな元気も残っておらずただうなだれるに留まり。
これは風呂入れず事件として記憶に残るなと思いつつも23時までに全員シャワーを浴び(我々はえらいのです)、気を取り直して寝るか、と思うも部屋には虫がたくさん入り込んでおり、ぶんぶん唸っているのであり。うるさいし、何よりも気分がよろしくないのであり。あれ、オプションで虫って付けたんだっけ?と思いつつももう尾崎豊になる元気は残っておらず。おつかれさま〜とすぐに寝るに至ったのです。ぶんぶん唸る虫の音をBGMに聞きながら。
そんな旅でしたがこういう事件があった方が後々思い出に残るというものです。面白いネタを用意してくれてありがとう〜と思いつつ疲れていた我々は泥のように眠り2日目を終えたのです。