太陽の塔ミーティング

そんなわけで大阪から帰って来ました。怒濤の1週間でしたが、何とか無事終えられて良かったです。
最終日は移動だけだったので、せっかくだからと太陽の塔を見に万博記念公園へ立ち寄ることにしまして。オードリーの若林氏がラジオで岡本太郎について熱弁してたのを聞いて興味を持って太郎本とか読んだりしてたんですが、一度生で見てみたいなと予々思っていたのです。
阪急線とモノレールを乗り継ぎし(知らない土地での電車移動にスマホは必須だなと実感しました)、いざ万博記念公園駅に着いて坂を下りるともう見えるのですよね。あの異様な造形物が。「おー、すげ〜本物だ〜」と私は感動し、早速写真を撮りたい衝動に駆られるも、周りのお客さんは誰ひとり写真を撮ってないし、見向きもしてないのですよね。みな一目散に目前の大きな建物を目指しているのです。私も何となくひとりだけ立ち止まって写真を撮るのを憚られ、みんなの流れに乗って坂を下り、目前の建物の横の「最後尾」と書かれた札の先を見やると凄い行列が出来ているのです。何の知識もない私はこの巨大な建物内に万博記念館があるのかと思い、凄い人気だなと思いながらよくよく見たらそれは「ラーメン万博」みたいな全然関係ないイベントの行列で、建物も何のことはない普通のららぽーとで、映画館など入った複合施設なのですね。あれ、こっちじゃないやと反対側の公園の方へ向かうとこちらは逆に閑散としており。そりゃ地元の人からしたら太陽の塔なんてずっとあるわけだし珍しくもないか、ラーメンの方が引きがあるかと思いつつ入場料250円を払い公園に入ると目の前にデーンとそびえ立っているのです、太陽の塔が。本やテレビで何度も見てますが、生で見るとやはり感動するものですね。迫力が違うのです。こんな質感してるのかとか生で見ないとわからないものですね。裏側もかっこいいデザインなんだなあとか、ついしげしげと見つめてしまいました。あと大仏なんかもそうですけど巨大造形物を目の前にするとウルトラマンと怪獣ってこんな感じなのかなーと特撮ものの尺度に一度変換してしまうのですよね。ウルトラ警備隊の方々はこんな感じで下から見上げてたのかと。あとエヴァに出て来る使徒という概念とデザインは確実にこれの影響を受けてるんだろうなあと思ったりしましたね。こんなのが地球攻めて来たら大変だなと。私はモデルを目前にしたカメラ小僧の如くカシャーカシャーと写真を撮り。太陽の塔との初対面を終えたのでした。
その後公園を散策するもやはり閑散としており。晩秋の公園はそれはそれで味わいがありましたけどね。枯葉が舞い散る光景は。俳句など嗜みつつしばらく歩くと目前に万博記念館が現れ。私が先ほどラーメン万博の大行列と勘違いした大人気施設がこれかと入場料200円を払い中に入るとどこぞの小学生の団体が来ていて意外に賑やかなのであり。受付けのお姉さんが「小学生の団体さんが来ててご迷惑おかけしますがすみません」的なことを言うので、先ほどのラーメン万博の行列に比べれば何てことないっすと入場すると貴重な万博グッズがたくさん展示されており。岡本太郎の作品もあったりで楽しめましたね。レトロ感満載で。小学生の子たちが何やらノートにメモしてましたが、万博の頃は生まれてないし、何のこっちゃかわかんないで見てるんだろうなと思いつつ。当時のポスターを見てへえ、セルジオ・メンデスがライブやったのかとか、メリー・ホプキン来たんだなとか感心しながら眺めつつ、下に降りると音の出る立体作品で小学生たちが音を鳴らすワークショップを行っており。「さあ、順番にこれを叩いて音を鳴らしてみましょうー」とかやっているのですね。おお、楽しそうと思って私も早速小学生に交じって音を鳴らし、しれっと参加してみましたけどね。先生や施設の人は「この人何だろう」という顔で見てましたが。本当は静かな環境で音だけを録音したかったんですが、小学生たちがわーきゃー言ってずっと音を鳴らし続けているので仕方ないかとしばし興じたのち、外に出て。太陽の塔と公園を後にしたのでした。お土産屋で太陽の塔のフィギュアでも買おうかと見たんですが、本物に比べるとやはり見劣りがするのであり。本物の造形は心のフォルダに保存したから別にいらないかと買わずに後にし。万博駅を出て帰路に着いたのでした。
まあざっくり言うと太陽の塔に会いに行って帰って来たというだけのお話です。それでも会うというのは大事なことなのです。この世界に於いては。