梅田、ドンキギャル事件

梅田の宿は欲望にまみれた立地のホテルながら外国人観光客で満員であり、特に中国人の方が団体で来ていて、私の寝ているフロアのほとんどの部屋が中国人宿泊客で、お互いの部屋をノックして行き交い中国語で喋る声で目が覚めると、あれ、自分は今中国を旅行してるのかしらと一瞬錯覚するほどなのですが、梅田の猥雑な雰囲気は中国の繁華街にも通ずるものがあり案外馴染み易いのかもしれません。
梅田に大きなドンキホーテがあり、期間中は飲み物などをそこで買ったりしていたのですが、そこでも中国人の方がたくさんいて爆買いしているのですね。カゴの中にわっさわっさとシャンプーだの洗剤だの日用品、お菓子などを溢れんばかりに入れており、本当に文字通り爆買いしているのです。爆買いとはよくぞネーミングしたという感じで。よくよく見ればそれらの商品も実はmade in chinaだったりして、自国で製造されたものを他国で買うという不思議な現象だったりするんですけどね。阪急でも中国人の若い女性が「これとこれとこれとこれ下さい」とマイケル・ジャクソンみたいな買い方をしていて、凄いなあと思った次第です。我々商人からしたらこんなありがたいことはないですけどね。

先日、そのドンキで飲み物を買おうとレジの長い列に並んでいたのですが、2人組のギャルが列の横の飴を物色しカゴに入れたなーと思ったらそのまま留まり、しれっと列に割り込んだのですね。あれ、割り込んだなあと思ったものの、ひょっとして列の最後尾がわかってない可能性もあるなと見ていたら、私の前に並んでいたカップルの彼氏の方が「あれ、お姉さんここに並んでなかったですよね?」と注意したのですよね。そしたらそのギャルが後ろをぱっと振り返り、ふてぶてしい態度で「はあぁ?並んでましたけどぉ?」とキレ気味に言い放ったのです。列に割り込んだ自覚があるのが明らかな逆ギレの発言です。その小憎たらしい顔といったらあなた。広辞苑に於ける「小憎たらしい」の用例画像に載せるのに相応しい小憎たらしさなのです。私は何なんだこのギャルはと立腹し、その場で「おい!列に割り込んだろ!ルール違反だぞ!みんなきちんと並んでいるのだから最後尾に並び直せ!」と注意し、ギャルを後ろに追いやり、周りからはよくぞ言ってくれたと拍手喝釆を浴び、「五十嵐梅田でヒーローになるの巻」を実行しようと思ったのですが、ギャルに逆ギレされて揉めても面倒だし、こんな輩に時間と労力使うの勿体ないしなあと思っているうちに結局見過ごす形になってしまい。こうしてみんな見過ごすから調子に乗ってますます図々しくなるのだろうなと思い、何とも後味の悪い思いをしたんですけどね。その彼氏の方は「明らかに並んでなかったけどな!」と捨て台詞をギャルに放ったのですが、当のギャルはそんなもの屁でもないといった具合にふてぶてしさを増し、結局割り込んだまま鼻歌など歌いだす始末で、私が彼女の親だったら正座させ朝まで懇々と説教するところですが、案外こういう輩は親の方も「あんた、うまく割り込んだな〜」と褒めるくらいのふてぶてしさを持っているのかもしれません。親の顔を見てみたいものです。(実際には見たくないですが。)
斯様な図々しい輩には列を割り込んで得した時間だけ寿命が縮むとか、次回列を割り込んだら突然森進一の顔と声になってしまう謎の病に罹り、「おふくろさん」「襟裳の春は何もない春です」「川内康範先生ごめんなさい」が口癖になり、周りから奇異な目で見られながら惨めな一生を送るなどのペナルティが課せられれば良いのですが、案外こういう輩が人生うまく乗り切ったりするのでしょう。正直者が馬鹿を見る世界にはなって欲しくないものです。
私はすっかり気分が悪くなってしまい、あーもう退散だ退散だと爆退店し、爆帰りし、ビールを爆飲して爆睡したのですが、ギャルはギャルで爆飲みして爆遊びして梅田ナイトを爆楽しんだのでしょう。何だかなあという感じです。みなさんくれぐれも列の割り込みはやめましょう。