愛の才能の果てに

気が付けばもう2月なのです。本当にあっという間なのです。
大きな芸能ニュースが次から次へと飛び込んで来るこの頃ですが、狩野英孝を巡る女性2人との三角関係という、世間的には微妙なスケールかもしれぬニュースに私は少々複雑な想いを抱かずにはいられないのです。何しろ相手のひとりは川本真琴なのです。90年代に於いてある種のアイドル的存在でもあった川本真琴が元彼である年下の芸人(しかもそれが狩野英孝)に執着を見せ、現カノとSNS上でバトルするという(真偽の程は定かではないですが)報道にはまじか、という小さな呟きが我が口から発せられたものです。しかも現カノと称する女性が顔面のパーツを彫刻刀で削ったかのような鋭利な容姿に、やたら海外に行っているミステリアスな経歴の持ち主で、ムツゴロウ好きというキャラも乗った香ばしい限りの人物なのであり。今回急きょ帰国するのに狩野から20万旅費を貰ったとか、痩せてて心配だからと狩野に具のない醤油ラーメンを作って貰っただの、いちいち語られるエピソードに佗しさしか感じられず、斯様なカップルに割って入ろうとする川本真琴よ、目を覚まさないのかと余計なお世話ながら思ったりした次第です。
90年代当時の川本真琴の鮮烈なデビューはよく覚えていて、彼女がギター片手に「愛の才能」を歌う姿を見て「やべー、天才が現れた!しかも可愛い!」と次の日にはCDを買いに走ったものです。ショートカットでボーイッシュで可愛くて天然で不思議キャラというのは無敵のポップアイコンとして機能していたし、何より歌唱もソングライティングも破格の才能とあれば売れるのも当然で、「ピカピカ」とか「微熱」とか名曲いっぱいあったなとつい遠い目になってしまう私がいます。
しかし今回私が衝撃を受けたのは川本真琴の本名が実は川本和代であったということで、誰が付けたか知りませんがあのキャラは絶対真琴じゃないと成立しなかったと思われ、その絶妙なネーミングセンスに改めて感心してしまった次第です。思えば細田守監督の「時をかける少女」の主人公も真琴という名前で、あのキャラの名前が真琴というのもけだし絶妙と思われ、それって多分に川本真琴の影響もあるような気がします。ボーイッシュで可愛い女子の名前代表のような。今回の騒動は川本真琴ではなく川本和代さん42歳の恋愛事情だと思うと勝手ながら腑に落ちる次第で、別に他人がとやかく言うことでもないよなと思えて来るのが不思議です。(さんざ書いて来ましたが)。
しかし当初の「川本真琴狩野英孝熱愛」だったら単なるほのぼのニュースで終わっていたのに、そうはならないのが芸人狩野英孝の引きの強さでしょうか。これでまたしばらくバラエティでイジられる強力なネタが出来たわけですし。しかし将来的に実家の神社を継いで神主になる人物がこんな揉め事だらけの恋愛してて大丈夫かしらと両親目線で心配してしまう私がいます。 地元の住民と神社の将来を背負っている身ですからね。
96年の川本真琴さんに会いに行き、「あなたは20年後にラーメン、つけ麺、僕イケメ〜ンのフレーズでお馴染みのお笑い芸人さんと付き合いますよ」と告げたら何と応えるのでしょう。「は?嘘でしょ?」と言うのでしょうか。
残念ながらそれは。まことのことなのです。