伝統と芸能

元旦からの帝国ホテルの怒濤の12時間営業も無事終わり、池袋東武の搬出も終え、年末からの催事ラッシュが何とか一区切り付きました。年末は体調を崩したのでかなりきつかったのですが、まあ無事新年を迎えることが出来て良かったです。
帝国ホテルでは毎年様々な大道芸人さんたちと一緒になるのですが、彼らの営業ネタというのが毎年寸分の狂いもなく同じで、台詞やBGM、アドリブに見えるやり取りや客いじり、ギャグなど全く同じパッケージを何十年もやり続けているのですね。それを1日3ステ回すのでこちらはすっかりネタを覚えてしまい、そのお馴染みの内容を見る度に「嗚呼、1年経つのは早いな」としみじみするという状況が恒例となっています。50代後半くらいの紙切りの女芸人さんが毎回自己紹介で「本名は藤原紀香って言います〜」というツカミを私が記憶する限りここ10年は続けているのですが、こういう場所での藤原紀香の賞味期限って意外に長いんだなと感心させられますね。ちょうど良いというか。さらにあと10年は使えそうですし。まあ肝心の客席の方はややウケですけどね。海外を舞台に活動している人は台詞なしのジェスチャー大き目のネタで決まってるし、子供受けするネタの人は舞台に必ず子供を上げるし、「ギネス2ついただいてます」とか「笑っていいともなど数々の番組に出ました」など随所に挟まれるアピールもきちんとまとまってるし(笑っていいともの賞味期限はいつまでなのかが気になりますね)、日々様々な場所で繰り返しやっていくうちにこのパッケージに収まったのだろうなと芸人さんたちのこれまでの歩みに想いを馳せつつ毎回見ている私です。彼らはおそらく体調が悪くてもメンタルが沈んでいても口や身体が勝手に動くくらい稽古をしているのでしょう。それって毎日安定した味のラーメンを作ったり豆腐を作ったりというような感覚に似てるのかなと思いつつ、もう新ネタは永遠に下ろさないのかなという余計な心配もしてしまうんですけどね。こうも毎年同じネタだと。まあ新しい味のラーメンや豆腐を作ってもあまり喜ばれないという事情もあるのでしょうが。
年末は池袋東武に連日出ていたのですが、職人展と同じ会場でテレビドラマ「相棒」の展示をやっており、数分に1回は番宣やCMまたぎでよくかかっている番組のジングルが鳴るという現象が閉店まで続いたので、もう一生分は「相棒」のジングルを聞いたのではないでしょうか。ジャジャン!というジングル終わりに「相棒!この後すぐ!」とかナレーションを心の中で入れながら聞いてましたけどね。平日の昼間にスーパー銭湯などに行くとよく再放送の「相棒」や「科捜研の女」がテレビで流れてるイメージなので、無性に風呂に入りたくなりましたけどね。ちなみにこの展示、入場料が1000円するので、この規模でこの値段って一体どんな内容なんだと気になって仕方なかったのですが、流石に1000円払ってまでは見る気にはならず。相棒展の入り口付近でキャッチボールなどして、投げたボールが偶然会場内に入り込んだ体で「嗚呼、暴投しちまった、仕方ないなあ〜」などと芝居しつつボールを取りに行きつつ中に入り込んで展示を見ちゃうという「相棒キャッチボール作戦」なども考えたのですが、デパート内でキャッチボールというのも不自然な話ですし。まあそんなこんな思案しながら看板の前に立っていたら開店前にちょっと覗いても良い感じに言われたので急いで中を見させていただいたんですけどね。ざっとしか見なかったですが、ファンなら楽しめる内容になっていましたね。流石に大麻推しの方の写真は見かけなかったですが、セクシャリティな部分を暴露とかいう理由で芸能界を辞めた方は展示されてましたね。あんな形でいなくなるのはファンには寂しかろうと展示見ながら思いましたけどね。そんなこんな思いながら年末年始は仕事をしておりました。
ちなみに年明け早々、品川駅でKOCチャンピオンのライスの2人とすれ違い、声を掛けようかなと一瞬迷ったという出来事がありました。今年初遭遇芸能人がライスというのは縁起が良いのか何なのか、まあご飯だから日本人としては縁起は良いのかなと思ったという、そんな2017年の幕開けです。