猫を奏でる一夜

先日はmolnでの近藤研二さんの「こねこのモイ写真展」に合わせて招き猫の絵付けワークショップと、近藤さんのソロライブ「こねこの音楽会」が催されました。合わせてたくさんの方にご来場いただきました。ありがとうございました。店主がインフルエンザにより不在でしたが、スタッフのひろこさんの手助けを得て何とか無事に終えることが出来ました。
招き猫の絵付けは2日に渡って開催しましたが、みなさんとても上手で個性的な作品がたくさん生まれておりました。サッカーチームのユニフォームをあしらう方がいたり、自分の飼い猫の柄をあしらう方がいたり、布やアクセを貼ってアレンジを加える方がいたり、それぞれのカラーが出ていましたね。わざわざ仙台から遠征して来られた方もいたりして、どの回も盛り上がっておりました。早くも2作目を作りたいという声もいただいたので、また機会があれば催したいと思います。
近藤さんの展示を熱心に見られる方も多く、応援企画のポストカードセットもたくさんの方にお買い上げいただきました。モイバッチも人気で品切れになっており。ライブ当日近藤さんは早めに会場入りすると言っていたのですが、道が混んでいたらしく到着が遅れ、 お客さんに「もう少ししたら近藤さん来ますから!」「モイバッチの追加を持って来ますから!」とアナウンスしてその場に残って貰ったり出直して貰ったりしたのですが、いざ近藤さんが来たら本人よりモイバッチの方にわらわらとお客さんが群がっており、近藤さんは少しさみしげな顔をしておりました(笑)。まあ今回はモイちゃんの方が主役ですしね。
そして夕方からは会場をライブ仕様にして(藤原さんがモイの写真の配置を変えてライブ中にもお客さんに見えるようにしてくれました)、リハーサルを行い。抱きモイ用のパネルを近藤さんの背後に飾ったので、まるで演奏中の近藤さんをモイが見守っているかのような図になっておりました。近藤さんは髭を剃ってすっきりしており、貴公子のような佇まいでギターを爪弾き音をチェックされてましたね。
そして迎えた本番、この日は立ち見が出るほどの超満員で。みなさん病気と闘うモイと近藤さんを直接応援したい気持ちがあったのでしょう。「こねこの音楽会」と銘打ってるだけあり(近藤さん曰く「藤原さんが勝手に名付けた」とのことでしたが・笑)、自身のソロ作から「子猫のロンド」や、Eテレの「猫のふみふみ」、テレ東のアニメ「こねこのチー」のテーマ曲など猫曲満載のセットで猫好きにはたまらない内容でしたね。演奏する近藤さんの背後には等身大モイが見守っているし、周りには子猫時代のモイのあどけない写真がたくさん飾られているし、それらを見ながら曲を聴いていると「この切ないメロディはこの頃のモイが近藤さんに書かせたんだなあ」「近藤さんのモイへの愛が優しいメロディに滲み出てるなあ」などと思い、つい涙腺が刺激されうるうるしながら聴いていたのですが、お客さんも同様だったことでしょう。ご近所猫仲間の山田氏のカバー「日向の猫」にもしみじみしてしまいました。ちょうど日向にいるモイの可愛い写真が目に入ったのもあり。日向にいる猫こそ幸せの象徴よ、と改めて思った次第です。最近歌う機会が増えたという近藤さんのボーカルも味わいがあって良かったですね。松本素生さんが作詞したという栗コーダー時代の曲「サヨナラのおまじない」の歌詞が切ないけど前向きな内容で、近藤さんの今の気持ちに近いのかなあと勝手に思いながら聴いておりました。(というか何を聴いてもモイのための歌に思えてしまうのです。)まあ私が勝手にうるうる来てただけで、全体しっとりしたムードかというとそうでもなく、近藤さんは随所で笑いを取っていたし、お客さんはとてもあたたかいし、終始楽しい雰囲気の音楽会でしたね。近藤さんも「モイの写真を見て欲しいから早めに切り上げる〜」とか言いつつ2時間以上やっていましたしね。運命に導かれるようなモイとの出会いの話やウニちゃんとの出会いの話なども聞かせてくれました。私自身猫を飼うようになり、猫との出会いは運命というか奇跡みたいなものだなと共感するところがありましたね。小林賢太郎さんの動画に付けたという曲も演奏してくれたのですが、後で聞いたらその曲の打ち合わせの際に賢太郎さんが近藤さんの自宅を訪れたそうで。あのコバケンがモイとウニに会ったのか!とラーメンズファンとしてはアガったのですが、近藤さんの自宅を見て「これは完全猫仕様ですね」と感想を述べたそうで、小林賢太郎だなーと思った次第です。(あと余談ですが2日目の絵付け教室に参加したお客さんが賢太郎さんの相方の片桐仁さんのラジオ、エレ片のヘヴィーリスナーだとわかり一瞬盛り上がりました)
最後は「toi toi toi」というインストの曲を演奏してくれたのですが、近藤さんのファンの方がモイちゃんに向けてその曲のオリジナルの歌詞を付けてくれたそうで。近藤さんはそれを読んでとても感動したそうで朗読しようとしてくれたのですが、「ああ駄目だ、これ読んだら泣いちゃうから」と思わず声に詰まり紹介だけに留める場面がありました。ここまで楽しい音楽会をお送りして来た近藤さんでしたが、やはりモイのことが心配でたまらないのだなあとちょっと泣きそうになってしまいましたね。お客さんもそれを感じてか、近藤さんを元気づけようと手拍子が大きく鳴り響いておりました。
終演後はお客さんからたくさんの贈り物が近藤さんに渡されており。同じように猫を看病した経験のある方は「うちはこんな感じでした」と体験を話して共有したり、モイへの応援メッセージを熱く伝えたり、近藤さん自身を励ましたり、会場全体が猫愛に満ちていて、それこそ招き猫ではありませんが猫が縁でこういう交流が生まれる様子は何だかとても良いなと思った次第です。モイの写真に囲まれたこの空間はとにかくピースフルでした。そこに鳴らされる近藤さんの極上のギターと歌声たるやです。素晴らしい一夜でした。
この「こねこのモイ写真展」は2月9日まで展示されているそうです。まだ間に合いますのでぜひご来場いただけたらと思います。ぜひよろしくお願いしますということで。