情熱ナイツ

先日、依頼を受け招き猫の絵付け教室の出張に出向いたのですが、その場所が少し変わったところで、レクサスという車の販売所なのですね。そこではレクサスオーナーさん対象に様々なワークショップを催しているそうで、招き猫は縁起物だし幅広い年齢層にも受けるとのことで今回我々に白羽の矢が立ったらしく。そんなわけで2時間近くかけて千葉の営業所まで出向いたのですが、いざ現場に着くとピッカピカの新車のレクサスが屋内にずらりと展示されており。私は車の知識が皆無なのでレクサスがどういう車なのか知らず、勝手に名前の語感から「機動戦士ガンダム」に似た、「情熱騎士レクサス」みたいな架空の巨大ロボットアニメをイメージして行ったのですが、いざ現物を見たらそれがあながち間違いでもなく、美しい光沢のあるボディと洗練されたデザインはSFロボット的魅力に溢れており。商品のネーミングって大事なんだなと思った次第です。
そんな情熱騎士たち(じゃないけど)はおいくらなのかとふと値段をチェックしてみると、今まであまり見たことのない桁の数字が羅列されており。思わず一の位から「いち!じゅう!ひゃく!」と開運なんでも鑑定団方式に数字を追ってしまったのですが、私が見たそれは1300万するのであり。いっせんさんびゃくまんてあなた、下手したらマンションが買える金額でっせと私は驚き、そんな高級車を日常的に近所の安売りスーパーにエリンギ79円もやし39円を買いに行くのに使ったりするのか、凄いぞ!と眩暈がしたのですが、そんな高い車は自分は怖くて乗れないなあとすぐさまビビってしまった次第です。(まあその前にまず買えないですけどね。)話を聞くと来月発売の1800万のスポーツカータイプのものがそこですでに7台売れているとのことで、お金持ちというのは確実にいるのだなと日本の経済格差に想いを馳せた次第です。私自身は車に興味がないのでそこまで惹かれませんでしたが、実際内装を見ると高級な革張り仕様の動く応接間といった極上空間で、これを所有したい人がいるというのは理解出来ましたね。車が好きでお金に余裕があればこんな良い物そりゃ買うよという感じで。情熱騎士レクサスに乗り込みレクサスビームやレクサススーパーキックなどを駆使して日本の平和を守るよと。
その後会場に集まった情熱騎士(じゃないけど)オーナーさんたち相手に絵付け教室を行ったのですが、みんなこの高級車を買った人たちなのか〜とついお金持ち認定してしまっている自分がいて、実際そういう目で見られるためというか、他人から信用を得るという意味でも高級な物を所有するのって大事だったりするんだなと、成功した人が高価なものを身に付ける理由が少し理解出来ましたね。みなさんマナーの良いお客様ばかりで楽しいワークショップになりました。さすがは騎士たちです。(だから騎士じゃないんだけど)
私は移動となるとだいたい徒歩か1万2000円で購入したママチャリなのであり、機動戦士にも情熱騎士にもなれないのですが、朝急いでいる時にはガンダムの如き機敏な動きで漕ぐし(「ユウスケ行きま〜す!」の台詞込みで)、天気の良い日はレクサスの如き寛ぎの極上空間をサドル上に作り出しているので、ある意味では機動戦士でもあり情熱騎士でもあるのです。個人的にはそれでも良いような気がします。なあミル坊もそう思うだろう?と靴の箱に入って寛いでいるミル坊に話しかけたら「にゃあ」と優雅にあくびをされました。ただの靴箱もミル坊にとっては極上空間レクサス、情熱騎士なのです。