テロ檸檬

もう7月なんですか。
1年の半分終わっちゃいましたか。
早いものです。
そろそろ海開きだの山開きだの様々な夏が開く頃ですが、
中華屋さんではもう冷やし中華が始まっているんですかね。
冷やし中華始めましたと聞くけれどあれっていつ始まるのか明確にわからないのですよね。
「チューブのシングルが出たら」とか、
稲川淳二が恐い話をし出したら」とか明確な合図があるんですかね。
「チューブ新曲出るよ」
「お、そろそろ冷やすか」みたいな感じなんでしょうか。
蝉もいつの間にか鳴き始めているし、冷やし中華もいつの間にか始まっています。
夏っていつの間にか夏なような気がします。


ところで先日、落書きの話題から街中のグラフィックアートについて言及しましたが、
何と新幹線の車体にグラフィックを施した輩がいたようですね。
電車とは「走るデザイン」なのであり、
そのデザイン美を愛でる電車ファンが多くいる世の中、
喧嘩を売るが如き大胆不敵なる行為ですが、
ニュースを見ててまさに伊坂幸太郎氏の小説を思い出してしまいましたね。
人の持ち物でアートするなと小一時間くらい説教したいところです。
そんな小一時間なら何とかやり繰りして時間作りますよ。
そもそもあれをアートだなんて「あたしゃ認めないよ!」と
往年のスピードワゴン井戸田の如きテンションで唱えたいところです。
丸善美術書売り場にそっと檸檬を置いて来るみたいな
梶井基次郎的なセンスが欲しいですよね、どうせなら。
新幹線へのリスペクトが足らないですよ。
まあそもそもリスペクトなんてないから躊躇せず落書きしちゃうんでしょうけどね。

犯人の家の壁に同じく「Hack」とスプレーしたら犯人はどんな顔するだろう、
あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
なんて思いながらもう一回伊坂氏の「重力ピエロ」を読み返す次第です。
そもそも犯人の侵入を許す警備の甘さも何だか心配ですけどね。
サミットで厳重警備のはずですが。
新幹線に爆弾仕掛けられてたらどうなってたんだって話ですよね。
テロ警備の強化を促す注意喚起の行為だったんでしょうか。
爆弾かと思ったら檸檬だったみたいな文学的な奇跡はそうそう起こらないですよ。
この物騒な世の中では。


「街からは落書きはなくならないものか?」
「どんどん増えていく。どんな悪戯も、飽和状態になるまではずっとつづくんだ」
伊坂幸太郎「重力ピエロ」)