8月の音頭

「8月が1000もあるような白い午後」という一節から始まるハイロウズの歌を思い出さずにはいられない
陽炎の揺れる白い午後のアスファルトにポツネンと佇みながら、
数ヶ月前にはここを雪が覆っていたという事実をなかなか飲み込めず、
ぬるくなったミネラルウォーターで無理やり喉に押し流しているこの頃の私なのですが、
如何お過ごしなんでしょうか、みなさまに於かれましては。
夏バテーションにやられてはいませんか。
夏バケーションを満喫したというのなら良いのですが。


夏フェスにも参加せず、ひたすら波形をいじってサマーを過ごした私ですが、
先日はすみだジャズフェスティバルという催しをふらっと見に行き。
大友良英さんのステージを(後半だけですが)満喫しました。
このフェスは無料で、近所のおじちゃんおばちゃんや子供たちが会場に集まり気軽にジャズを楽しんでおり。
とてもいい空気感のイベントだなと思いました。
(街全体で開催していて色んな会場に分かれてやっていたそうですね)
私は知らなかったんですが、前日は菊地成孔氏なども出てたそうで。
こんな豪華な面子が出てるの知ってたら全部見たかったなーと思いつつ、
大友さんのステージをビール片手に楽しみました。
あまちゃんでお馴染みの「地元に帰ろう」とか「ええじゃないか音頭」など、
いい感じに敷居が低いステージで(近くの会場ではゴリゴリのジャズが爆音で流れてましたが)、
会場がまるで盆踊り大会かのような様相を呈しておりました。
(ダンサーとして珍しいキノコ舞踊団のみなさんも出ておりました)
夏の野外で大音量で音楽を聴くのって楽しいなあ〜と、
私は「ええじゃないか」の合唱を聞きながら感動してしまい、
ちまちま波形をいじって作っている自分の音楽にもこんな開放感を与えることが出来るかしらと
ふと思ったりしたのですが、
音楽を聴くのに環境って大きく作用するよなと改めて思ったりした次第です。
共有したり、開放したり、大きく鳴らしたりで聞こえ方も変わりますからね。
まあ小さく鳴らして内に籠って聴くのもとても良いですけどね。
夏の喧騒と熱気に混じって鳴らされる音楽の魅力には抗えぬなあと思った次第です。
機会あれば自分の音楽も夏の野外に流してみたいものです。
爆音で。
なかなか爆音の似合わぬ音像ですけどね。
夏の夕方の匂いと音楽のマリアージュは最高なのです。


演奏が終わった後は会場に来ていた元maoの下段氏と飲みに行き。
軽くと言いつつハシゴなどし、夏の酒場を堪能してしまいました。
maoからデビューして10年なので何だかんだで彼とも付き合い長いんですが。
まあお互いこうして健康で酒が飲めれば良いんじゃないの、みたいなことを思った次第です。


「ええじゃないかってパンクですよね」という話を大友さんがステージ上で話しておりましたが、
私は私で内なるパンク精神を発揮し、
静かで凶暴なアンサンブルを構築すべく家に籠り波形をいじろうかなと軽く決意した次第です。
「ええじゃないか」などとブツブツ呟きながら。
まあまだまだ先は長いですけどね。