おうちでおんがく

そんなわけでfwjライブ@代官山晴れ豆、無事終了しました。
ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。
1、タンスマウンテン
2、アゲハに映る
3、猫とくらす
4、彼女のティップ・トゥ
5、疾風スカート
6、サイクル曜日
7、風の道
8、夏でもなく秋でもなく


この日はPAを通さない生音ライブというコンセプトで、
床に敷物を敷き靴を脱いで座ってリラックスして楽しめる仕様で、
昼間の時間帯にお子さん連れでも楽しめるというファミリー向けのライブイベントだったんですが、
いざ蓋を開けてみれば本当にお客さんのお子さん率が異様に高く、
小さな子供たちで埋まる会場に「あれここって保育園だったっけ?」と一瞬錯覚するほどで、
普段と違う環境で面白かったですね。
完全生音だったのでここのギターを大きく聞かせたいとか、
打楽器の音を抑えたいとか抑揚を自分らで調整しなければならないので大変だったんですけどね。
しかも目の前には未就学児童が溢れかえっているし(笑)。
取りあえずMCするにもマイクがないので、
それこそ保育園の先生になった気分で大きな声で喋ろうと試みたんですが、
「いやーもう花見の季節ですな」みたいな話を子供たちにしても何だし、
「この間こんな面白いことがありましてね」なんてエピソードトークをして
子供らの笑いを取れるスキルも(一応探したんですが)己に持ち合わせていなかったので、
取りあえず挨拶からかましたろうと「こんにちは〜!」と大きな声で言ってみたら
子供たちが「こんにちは〜」と元気に大きな声で返してくれたので、
「おお、我は児童らとのコミュニケーションに成功した!」と妙に嬉しくなってしまい、
そこですでに達成感を覚え取りあえずその後もこんにちはを繰り返すという
MCでも何でもないぞこれはという状態に陥ってしまったのですが、
(後で鎌田さんに「五十嵐くんこんにちはを5回くらい言ってましたよ」と指摘されたんですが)
子供相手にノンPAでお喋りをするのは大変であるという事実を改めて認識した次第です。
今回、一応小さな子供たちが来るというのを想定して、
カスタネットや自転車のベルなど曲に合わせて打楽器を用意し、
それを配布して演奏に一緒に参加してもらうという企画を行ったんですが、
いざ音の鳴るものを与えられると鳴らしますね、児童らは(笑)。
楽器を配って「次は猫が歩いている曲です〜。猫の足音を鳴らして下さい〜」と言うと
子らはカスタネットやらトライアングルやらをがんがん叩き。
どんだけ騒がしく猫が走り回っているのだという感じでしたが、
みんな楽しく楽器を鳴らして参加してくれました。
「次は自転車の曲です、ベルを鳴らして下さい〜」と言うとみんなそこかしこでちりんちりん鳴らし。
どんだけ自転車が走っているのだ、ここは中国かっと思いながら会場中にベルが鳴り響く中を
ギターをじゃかじゃかかき鳴らしましたけどね。
最後はもうトライアスロンの如き様相を呈してましたね(笑)。
いやしかし子供たちがこうして音を鳴らして親しむ場面というのは
見てて良いものだなと思った次第です。
まさに一緒に音楽に参加しているという感じで。
しかし子供というものは大人と違って集中力が持続しないのですね(笑)。
次は静かに聞いてもらい曲なので子供たちから楽器を回収すると途端に集中力が切れたのか
声を上げたりそこらを走り回ったり賑やかになり。
その後は最後まで独特な喧噪の中での演奏となりましたけどね。
今回、共演のOIshii OIshiiのチカさんと一緒に「風の道」という曲を一緒にデュエットしたんですが、
チカさんの娘さんも途中でだっこされながら一緒になって賑やかな中歌い上げて楽しかったです。
あれだけ賑やかだともう楽しければ良いやという状態になるものです(笑)。
まああれだけの子供たちを相手に演奏する機会は初めてだったので新鮮だったし、勉強になりましたね。
もっと子供らのハートを掴む術を得たいものだと思ったりした次第です。


今回そのOishii Oishiiとの共演は結構久々だったんですが、相変わらず曲が良かったですね。
前回はドラムの方がいなかったんですが、今回はとても繊細な演奏をするドラマーがいて。
前に私が町田のデパートで実演していた時にチカさんがお子さん連れで遊びに来てくれたりもしたんですが、
この日もお子さん連れで来られてて。
チカさんがお子さんをだっこしながらピアノを弾いたりステージに上げてあやしながら演奏したり、
一番の主役が子供というステージはまさにこの日のコンセプトに乗っ取っていた感じでしたね。
遂には他の子供たちもステージに上がって楽器をいじったりピアノに触ったり、
ステージ下に置いてあったタムをがんがん叩いたり、
(やっぱり打楽器は面白いんですかね)
そこらを走り回ったりして混沌としたステージになっていましたが(笑)、面白かったですね。
途中おしめを交換するためにチカさんがステージ裏にはけるという場面なんかもあり。
まさに子供のいる演奏会といった様相でした。
じっくり演奏を聞きに来た人には子供らの叫び声とかそこらを走り回ったりなどの行為は
少々邪魔に思えたのかもしれないですが、
普段遠慮してライブに小さな子供を連れていけない人にとっては
こういう子供を優先したライブは足を運びやすいし、
家族で一緒に音楽に親しめる機会を作れるのはとても良いことのように思いましたね。
チカさんも子供をだっこしながら歌ったり、
他の子供らが機材をいじったりステージを上ったりするのもステージの一環にしちゃうという
懐の広さみたいなのも見ててとても気持ち良かったです。
まあ見てる方としては単純に小さな子供らが何か一生懸命にしている様を見るのは面白いですしね。
子連れの人は他の子供たちに対してもあたたかい目で見ているし、
心地は良かったんじゃないでしょうか。
演奏する側としては中々厳しいものがありますが、
こういう企画は親子連れには嬉しいだろうなと思った次第です。
子供たちが喜んで走り回る様を見たらそれで満足というものです、大人は。


で、終演後はみんなで中目黒に移動し、花見客でごった返す様を横目に近くの居酒屋に入り、
メンバーと石本夫妻らとだらだらと飲むという休日の大人の様相を呈しました(笑)。
昼間のライブ後だと飲む時間がたくさんあるのでつい飲んでしまうのですよね。
その後は夜になって目黒川の夜桜をゆっくり眺めながら散歩などして。
みんなで楽器持ってだらだら歩きながら「あー桜綺麗だねー」などと言いつつ。
居酒屋で石本さんが「最高の離婚」というドラマについてさんざ熱く語り、
目黒川沿いを歩きながらも「ほら、あそこドラマに出て来た場所!」などと熱く語っており、
3月の満開の夜桜と共に石本さんの熱量が私に記憶されました。
(好きなドラマについて語る熱気はまさに子供のようでありました)
その後マオスタへ移動してさらにだらだら飲むという休日の大人第二段の様相を呈して。
マオスタにはコマオの他に新たにミキオという子猫が仲間入りしており。
その2匹の猫がどたばた走り回る様を見ながらまたみんなでだらだらと楽しく飲みました。
今日は子供らといい猫らといい、自由に走り回る様ばかり見ているなあなどと思いつつ。
まあ我々大人も同じく自由に走り回っているようなものだなと
陽気に酔っぱらった一同の姿を見て思ったりした次第です。
夜桜と子供と猫と大人の休日。
いい一日でした。
参加されたみなさん、お疲れさまでしたということで。