「14.8℃カマクラ」山田稔明さんからのコメント

fishing with johnの11年振りの新譜「14.8℃カマクラ」がいよいよ発売になりました。このアナウンスを出来るとは本当に感無量です。永遠に世に出ないのではないかと思われましたが、出るのですね。「歩けリリー」という曲のレコーディングを2013年に行っているので、アルバム作りをそこから開始と見ると、足掛け7年かかったことになります。この7年の間に結婚したり引っ越したり独立したりラジバンダリと色々あったので余計に感慨深いです。今回は色々なアーティストとコラボしており、その辺の話はCD内に長文のライナーノーツを書いたのでそちらを読んでいただきたいのですが、こちらのブログでもちょこちょこ紹介していきたいと思います。また家にCDプレイヤーがない、物を持ちたくないという方には今後サブスク配信も予定していますので、そちらで聴いていただけたらと思います。まあ折角の可愛い猫ジャケだし、もうCDという形式でリリースするのも今回で最後かと思うので、ご祝儀代わりにコンパクトディスクを買っていただくなんてのも乙かと思います。音も断然良いですし。

アルバム発売に向けて山田稔明さんにコメントを書いていただきました。毎回彼の新譜がリリースされる度に「五十嵐くんコメントよろしくね」と恒例のように頼まれるので、「山田さんコメントよろしくね」とお願い返しました。
この間恵比寿天窓switchにて行われた山田稔明with夜の科学オーケストラのライブも会場のswitchが年内で閉店するというのもあり、とても感慨深いものになりました。思えば私がswitchでの夜の科学に参加し出したのも11年前で、この11年アルバムを出していないのに「fishing with johnの五十嵐くん」という紹介をしてもらっていたので、何とか間に合ったなと思うのと同時にこれからもうここでライブが出来ないのかという寂しさもあり、色々胸がいっぱいになりましたね。
山田氏とは「いつアルバム出るの?」みたいな話をこの11年していたのでようやく出せたという感じです。山田バンドに参加させてもらうことで音楽的モチベーションが保たれたというのもあり、アルバムは彼がいなかったら完成しなかったかもしれないです。美しい賛辞までいただき、本当に感謝しかありません。


音の錬金術職人が長い時間をかけて紡いだ音細工は例えるならばカレイドスコープのピンボール、夢とうつつ。fishing with johnから届いた「うた」を再生すると僕の意識は銀色の玉になって、乱反射するみたいにその音像のなかで右往左往、遊泳する。見たことのない景色と懐かしい風景が交互に波のように押し寄せてきて、胸の奥のひきだしにずっとしまってあった感情なんかもふわっと浮かび上がるみたいだ。走馬灯レコードだ、これは。

 


山田稔明(GOMES THE HITMAN

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