四人囃子×フジファブリック@リキッドルーム

新旧プログレ対決とも言うべき興味深い対バンを鑑賞して来たのですが、
いやー実に素晴らしいものを見ましたね。
初めて生で見たフジファブリックが相当良かったです。
私は彼らの楽曲に見られる叙情的なプログレ風味に前々から魅力を感じていて、
それこそ「曲によっちゃ四人囃子みたいじゃないの」と思ってたんですが、
まさか本家と対バンとは、という感じで。
何と今回の共演は四人囃子からの直々のオファーで実現したそうですね。
私は昔から四人囃子の大ファンで、未発表音源のボックスセットも即購入するような
かなりマニアに近い奴なんですが、そういう意味でも感慨深かったですね。
時代を超えて繋がったよ、という感じで。


1番目は四人囃子だったんですが、
いきなりフジのメンバーが加わっての演奏で。
しかもいきなり長尺な「一触即発」からという流れで、感激しましたね。
言っても全員いいおっさんだし、こっちは30年前の四人囃子を聴き込んでいるので
さすがに演奏も歌もちょっとよれてるなあという印象もあったんですが、
まあそんなことを言うのは野暮というものです。
30年後もこうして現役で通用する楽曲と演奏はやはり凄いわけですよ。
その後も入れ替わりフジのメンバーが加わったり抜けたりして
「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」「泳ぐなネッシー」など
代表曲ばかりを演奏して充実の内容でしたね。
私はバンド時代「空飛ぶ〜」を頻繁にカバーしてたんですよ、ところで。
あのギターソロ弾くのが快感だったんだよなあと想いを馳せたりしましたよ。
いやーしかしこんだけ変拍子を繰り出すおっさん他にいないよなあという感じで、
改めて面白いバンドだなと感心しましたね。
ちゃんとフジのメンバーの特徴を活かした参加の仕方でしたし、
先輩へのリスペクトも感じられて好感持ちました。


で、続いてのフジファブリックですが。
彼らには色々なタイプの曲があるんですが、
プログレっぽい曲はほとんどやったんじゃないでしょうかね。
こういうセットでライブを見たかったんだよなあという感じで。
これなら四人囃子を見に来たおっさん客にも響いたんじゃないでしょうかね。
「マリアとアマゾネス」とか「打上げ花火」とか、
よく出来た楽曲ばかりだよなあと感心してしまった次第です。
しかしボーカルの志村氏ってよく見るとすんごい美青年なのですね。
今までルックス気にしたことなかったんですけど。
他のメンバーも全員華があって見てて楽しめるステージでしたね。
四人囃子のメンバーもところどころ加わって、
ツインドラム、ツインキーボードによる演奏も面白かったし、
森園氏も加わってトリプルギターでの「地平線を越えて」も圧巻でした。
ぜひ彼らにはこの変態路線をさらに追求していって欲しいものですね。
へたにヒット曲などいらぬでしょう。
しかしファンの子たちがお決まりの如く手を振り上げるわけですが、
一部の子は変拍子に対応出来てないのですよね。
あんた、そこしっかり練習してきなさいよ、と
部活の先輩女子の如く駄目出ししたくなりましたけどね。


で、アンコールでは四人囃子フジファブリック全員で
(志村氏が「九人囃子です」という用意されていたであろう紹介をしてました)
「カーニバルがやってくるぞ」で締めという構成で。
最後まで楽しめましたね。
こういう両者それぞれがコラボする形での対バンてある意味理想だし、
見てても楽しめますよね。
客の8割くらいフジ目当ての若い子だったような印象ですが、
ちゃんと両者のファンもいただろうし、両者を楽しもうという雰囲気があって、
大変良いイベントであったと思います。
ユニオンのプログレ売り場でクリムゾン漁ってそうなおっさんとかが
10代の女の子の隣でステージを見ている状況など、
なかなか美しいんじゃないのと思いましたよ。
四人囃子って休止したり復活したり断続的に活動続けていますが、
伝説のバンドに収まらずに現役のバンドと渡り合おうという姿勢は
まさにプログレッシブなのであって、私はそこを評価したいところです。
森園氏の声がよれて出てなくても構いやしないのです。
この間出たボックスセット2も欲しくなってきてしまいましたね。
86年の新旧メンバー勢揃いの復活ライブのDVDも出ないかしら。