どぜう負け

先日浅草の老舗高級どじょう料理屋にてどじょうを食す機会を得たのですが、
どじょうたるものは普段そんなに頻繁(麻生首相風に言うとはんざつ)に食すものでもなく、
朝起きて「よし、今日はどじょうを食おうぞ」などと思わない類いのものであり、
やはり「今日はスペシャルだぜ」という非日常に於いてチョイスされる食べ物で、
いわばどじょうを味わうというよりどじょうを食べる文化を味わうといった、
そういう特別感にさらに老舗高級が付いて来るからありがたいのであり、
正直どじょう自体そんなに美味いものでもないぞとみな薄々気が付いていませんかね。
前に違う老舗高級どじょう屋で食べた時は割と美味しかった印象なので
今回は単純に店が悪かったんでしょうか。
「言うほどどじょうは美味くない」という印象に更新されてしまいましたよ。
何しろこの店の味付けってやたら濃いのですよね。
故にビールが進むわけですが、普通の瓶ビールが800円近くもして、
同じの吉野家で頼むと400円なのになあというちまちました感想も浮かび、
比較対象に吉野家を持ち込む時点で庶民だよなあと我ながら情けなくもなったんですが、
前の高級天ぷらの時も思いましたが自分に高級は向いてないのだなと結論が出ましたよ。
高級料理を前にすると身構えてしまうというか、
人見知りならぬ高級料理見知りになってしまうのですよね。
そんな見知りあるのかって話ですが。
しかしみなあの「どぜう」という旧仮名使いによって醸し出される
「自分レトロで売ってますから」みたいな江戸な佇まいに騙されてるだけで
実は「毎日食いたいもんでもないな」と思ってないですかねあれ。
「好きな食べ物はどじょうです」と自己紹介する人に会ったことないですもんね。
何だか喉が渇いたのとそんな美味くもないなという印象でどぜうに負けた私です。
次回リベンジする機会があれば今度は違う店をチョイスしたいものです。
つーかしばらくどぜうはもういいですけどね。
天ぷらに続きどぜうにも敗北を喫した私に老舗高級に勝つ機会は訪れるのでしょうか。
走り込みとか素振りとか千本ノックとかの鍛錬が必要ですかね。
それこそ使うのは硬球で。