アニメいずめんと@ノースカロライナ記 2

この日はいよいよコンベンションの初日ということで。
開会式は夕方4時からなので私の講演が先に午後からあったんですけどね。
その前にすでに盛り上がっている会場内をざっと見学しまして。
もうそこら中日本のアニメやゲームのコスプレしてる人で溢れてて凄かったですね。
参加者はみな1年前からこの日にかけているんだそうですね。
工夫を凝らしたコスプレに感心することしきりでした。
ちなみにこの「アニメいずめんと」というイベントはもう今年で12回目だそうで。
毎年参加者が増えているのだそうです。
(ちなみに今年2009年は6千人の動員だったそうです。)
ゲーム大会を行なうブースやアニメをずっと放送しているブース、
参加者が作ったアニメグッズを販売するブースや
ゲストを招いてパネルを行なうブースなど色々あるのですけどね。
(一応私は日本の文化を紹介するブースにゲストとして呼ばれたのです。)
コミケとか行ったことないけどこういう雰囲気なんだろうなとか思いました。
あと余りのオタク人口密度の高さに
「ここは中野ブロードウェイ?」と錯覚するほどでした(笑)。
ナルトとか悟空、あとはデスノートのLのコスプレが目立ちましたね。
松山ケンイチもどきがそこら辺にうようよいる光景は面白かったですよ。
あとはアメリカ人は体型がご立派な方が多いのですが、
お構いなく好きな格好をするのが清々しかったですね。
通常の2、5倍サイズの綾波レイとかいましたもん(笑)。
ゴスロリの格好も「洋服が悲鳴を上げてるよ!」みたいな感じで。
キャラの体型に自分を合わせていかないで
自分の体型に無理矢理キャラを引き寄せますからね。
でも似合う似合わない関係なく好きな格好をするのって
こういうイベントでは大事なのかもと思いましたけどね。


で、そんな中いよいよ私の講演の本番になって。
会場はちょうど大学の教室くらいの大きさでしょうか。
私の前にやっていた日本のカルチャーについての講義が終わった後
すぐにテーブルの上に張子をずらっと並べて。
今回は張子の作り方とかもそうですけど招き猫の由来とか
犬張子とかだるまとか七福神とか日本の縁起物全般の話を1時間ほどしました。
マイクを使って講義して本当に学校の先生気分でしたけどね。
通訳のNさんが素晴らしい言語選びで日本の駄洒落とか漢字の成り立ちとか
アメリカ人にわかりにくい内容を的確に訳してくれて。
横で喋りながら感心してしまいましたね。
彼女の力で講演が成功したようなものです。
みなさんとにかく熱心に聞いてくれていたので嬉しかったですね。
講演が終わったあとはわらわらとお客さんが近くに来て張子を撮影したり
手に取って興味深く見たりして。
今回は販売もオーケーということだったんですが結構売れましたね。
セーラームーンの格好した子とかが招き猫とか買って行く光景に感動しました(笑)。
月に代わって招くのでしょうか。


で、終わったあとはすぐに監督のS氏のパネルを見学に行って。
彼が手掛けた「彩雲国物語」とか「はじめの一歩」についての質問が
熱心なアメリカ人ファンから寄せられそれについてトークしたりして。
海外のファンがこれだけ日本のアニメを見ているというのに感心しましたね。
まあ後で聞いたらyoutubeで見ている人が多いのだそうですけどね。
関係者にとってはyoutubeはやはり悩ましいところだそうですね。
著作権など考えると違法なのですけどね。
あれのおかげでこうして海外でも認知されてるし宣伝にもなってるそうで。
彼がアニメを手掛けるきっかけとかも色々聞けて面白かったですね。
「初めて自分の名前が作品にクレジットされて嬉しかった」という話に
激しく共感してしまいました。
マッドハウス代表のM氏によると30代前半で監督を任されるのは珍しいそうで、
S氏の手腕を高く評価されていました。
ぜひ帰国したら「はじめの一歩」を見なくてはと思いました。
現在日本テレビで絶賛放映中だそうです。


で、夕方からはいよいよ開会式が行われて。
広い会場に5.600人くらいは集まったんですかね。
今回開会式用にということで特大だるまを私が作らせていただいたんですが、
それがスクリーンに大映しされて感動しましたね。
アメリカの声優さんや日本のゲストと並んで私も舞台に上がらせていただいて。
はっきり言って私などアメリカのアニメファンからしたら
「お前誰やねん」的な感じだったんですけどね。
他のゲストさんはもう「おお、あの声優さん!?」という感じだったんですが。
まあでも「だるまを作りました」と挨拶すると会場に「おお〜」というどよめきが起き、
バシバシだるまにシャッターが切られ、何とか認知していただいて良かったですけどね。
だるまがなかったら何と肩身の狭かったことでしょう。
それにしてもアメリカ人の「祭りを楽しもう」感は凄いですね。
何言っても「おお〜」とどよめくのです。
いいともの客以上のリアクションの良さです。
いいともと一緒にするなよという話ですが(笑)。


で、そんなこんなで無事開会式も終わって。
夜には参加者、スタッフさん大勢でステーキハウスへ行って。
ジャズバンドが生演奏するムーディーなお店でしたけどね。
(昨日行った店でもギターとバイオリンの生演奏していました)
ここでは肉を食べ放題ということでコースターを表にしてるとずっと肉が出て来て
もういらないとなるとコースターを裏にするのだそうですね。
わんこそばならぬわんこステーキという感じですが。
みんなで「んおう、うまい!」などと言いつつがつがつ肉を喰らいました。
それにしてもアメリカ人は量を食べますね。
私とS氏はすぐに「もうお腹いっぱいですね」と離脱したのに
隣の通訳のD氏は「これは鶏肉であっちが牛ですね」と通訳してくれつつ
がつがつ食べておりました。
さらにはデザートのケーキも「これは別腹ですね」と平らげて。
よう別腹なんて日本語知ってるなと思いつつ。
その後は近くのスーパーに皆で買い物に行って。
スーパーといってもだだっ広くてあらゆる物が売っているのですよね。
電化製品やら洋服やら家具やら。
そこでつい猫の声の出る(!)おもちゃのキーボードとか買ってしまいました。
鍵盤押すと「にゃー」とか声が出るのです。
中尾氏が「その猫の声、英語だね」と言ってみんな笑ってましたが、
確かにアメリカ産なので英語なのかもしれません。
いずれにせよ「にゃー」としか聞こえませんが。


その後ホテルに戻ってスタッフルームでまたみんなで飲んだりして
ようやく初日が終了しました。
(こちらではコロナビールハイネケンを交互に飲んでました。)
部屋に戻ってもつい猫のキーボードでにゃーにゃー遊んでしまいました。
ひとり猫ライブという感じで。
日本に連れて帰るとやはり日本語に変わるのでしょうか。
まあいずにせよ「にゃー」としか聞こえませんけどね。