アニメいずめんと@ノースカロライナ記 1

この日は朝一番で成田まで行って12時間かけて中継地のダラスまで行き、
そこからさらに2時間半かけてノースカロライナ到着という、
12時間ていったらあなた一日の半分じゃないのよという
行く前からトホホな気分で臨んだ長いフライトでしたが、
時間よりも何よりも機内が「冬です!」と言わんばかりに冷えていて。
とにかく移動中は寒さに難儀しましたね。
機内に乗り込むともうガンガンに冷房効いてるわけですよ。
「Hey You!」みたいなノリで。
こっちとしては「え?僕?」みたいな感じですよ。
なるべく放っておいて欲しいわけですよ冷房さんには。
でも周囲の外人さんはみな半袖、半ズボンでのほほんとしてるのです。
寧ろ「冷房モア!」くらいな勢いで。
彼らのビッグサイズの体型ならさもありなんと思いましたけどね。
そんな中私は毛布に全身をくるみ小さく縮こまって。
「寒さをしのぐ99の方法」という本を売っていたら
その場で4725円(税込み)くらいで買っちゃっていたでしょう。
まあ離陸してしばらくしたら大分落ち着きましたけどね。
インフルエンザの前に普通に風邪引くかと思いましたよ正直。
そんな寒中での日本出発となりました。


で、12時間も乗ってるとなると機内食が2、3回は出るわけですが。
これがまた「どすこい!」とばかりに出るのですよね。
最初は軽いつまみとお酒を出してくれて。
そのうちにカートを持って来たアメリカ人のおばちゃんに
ビーフとチキンどっちにするのよ?」と問われ、
ほほうこれが噂のビーフオアチキンですか、ならばチキンでしょうよと
半ば食い気味に「チキン!」と答えたりして最初はご陽気に過していたんですが、
もうつまみの段階で結構満足してるところにさらにサラダだのパンだの出て来て
段々お腹いっぱいになってきて。
そこへ今度は「アイスとフルーツどっちか決めなさいよ!」だの、
食後は「コーヒーかティーかジュースか決めなさいよ!」だの、
何だか「優柔不断な男は降りなさい!」みたいなテンションで問われるし、
お腹もいっぱいだしでもうすっかり疲れてしまって。
さらにはそれを消化し切ってないのに2回目の軽食とか出て、
「ビスケットかヌードルかさっさと決めなさいよ男子!」と
いちいち決断を強いられたりして。
何だか機内食に対して負け組であるな自分は、としみじみ思いましたよ。
その合間にも飲み物ひっきりなしに出ますからね。
お腹たっぷんたっぷんですよもう。
基本じっと座っているだけですからね。
お腹減りませんよね、あれ。
でも周囲の外人さんはばくばく食うとるわけですよ。
アイスまでぺろりと平らげてるわけですよ。
彼らのビッグサイズの体型ならさもありなんと思いましたけどね。
そんな機内食地獄と寒さにめげっぱなしのフライトでしたが、
ずっとテレビで「HEROES」見てたらいつの間にか12時間経ってましたけどね。
あのシリーズは見出すと止まらないですね。
字幕がないので細かいところは想像で見てましたけどね。
おかげでほとんど眠りませんでしたけど。


で、ダラス空港に着いて入国審査受けていよいよアメリカ入りしたわけですが、
この時点で再び21日の朝になってるのですよね、時差の関係で。
何だか得したような損したような不思議な感覚ですが。
さだまさしの歌う「親父の一番長い日」ってこういう日のことかしらと
どうでも良いことを考えたりしましたけどね。
そんなまさし気分で乗り込んだノースカロライナ行きの飛行機ですが、
何とそこでも機内食が出て。
まさしの胃袋ではトゥーマッチですよと思ったんですけどね。
「チーズかチキンかバーガー選びなさいよ!」とおばちゃんが声高に問うので
仕方なくまさし風に「チーズバーガープリーズ」と言うと
「はあ?」と何だか知らないけどキレられてしまい、
「うあわ、僕何か悪いこと言ったかしら」とあわあわしていると隣の外人さんが
「彼はチーズバーガーを所望しているよ」と助けてくれて。
「だったらそう言いなさいよ男子!」みたいな叱りテンションで
おばちゃんがようやくチーズバーガーを出してくれたのですが、
そんな難関を突破して得て来たバーガーがまた切ないほどに不味くて。
大味とはこういうことを言うのね、と思いながら食べたチーズバーガーが
微妙にしょっぱかったのはスパイスのせいか涙のせいか。
あーあーあああああーあーとまさしを歌いたくなった次第です。


そんなこんなで泣き濡れつつ(笑)ノースカロライナに着いたら
今回呼んでくれた主催のAさんやイベントのスタッフさんが大勢迎えに来てくれていて。
飛行機のチケットを直前にエコノミーからビジネスに変えてくれたので
日本人ゲストの席がバラバラになったそうで、
ここで初めて日本人同士挨拶という感じだったんですけどね。
日本からのゲストは結局私とマッドハウスというアニメ会社代表のM氏と
アニメ監督、演出家のS氏と声優の中尾隆聖氏と、
宇宙戦隊NOIZというビジュアル系のバンドさん御一行だったんですが。
取りあえずバンドさん以外の方をホテルへ送りますということで外に出たら
縦長のでっかい黒塗りの豪華リムジンが用意されていて。
テレビでしか見たことない例のあれがどーんと止まってるわけですよ。
「それに乗って下さい」とのことで、何たるVIP扱いであろうか、
機内食では「早くしなさいよ!」と怒られていた自分なのに!
と思ったもののM氏や中尾氏は業界では巨匠ですのでね。
自分はおまけみたいなものだなと思いつつ取りあえず乗る前に記念撮影しましたけどね。
人生初リムジンということで。
中尾氏にシャッター切ってもらっちゃいました(笑)。
中尾氏はバイキンマンとか「ドラゴンボールZ」のフリーザとかトッポ・ジージョとか
たくさんの名作で名役をやられている方ですが。
まあ私的には「あしたのジョー2」のカーロス・リベラ役が大きいですけどね。
(現地でカーロス役もやられていたと伺って気が付いたんですけどね。
ジョーファンとしては不覚でした!)
南米の強豪であるカーロスと3日間過ごすノースカロライナ
機内での寒さが南米の暑さに変わると良いなと思いつつリムジンに乗り込みました。


で、そこから車で3.40分かけてようやくホテルに着いて。
ホテルは今回コンベンションが行なわれる会場と隣接してるので
着いたらもうすでにアニメのコスプレしてる外人さんで溢れていて。
ああアニメのイベントなんだなあと実感が湧いて来ましたね。
そのホテルも相当綺麗で立派なところで。
取りあえずすぐにチェックインしたんですが部屋もこれまた広くて。
最上階だったので部屋から街並を一望出来たんですが、
緑もたくさんあるし、ちょうど良い感じの田舎具合で
これぞアメリカだなあという印象を受けましたね。


この日は取りあえず食事会だけということで
またみなで集まって車で3.40分かけてレストランへ行って。
(とにかく車がないと移動が不便な田舎具合なのですよね)
現地スタッフさんや通訳さんも交えて地中海料理をいただきました。
日本人通訳のNさんは本当に流暢な英語を喋る方で、
彼女の通訳がなかったら今回の講演は成功してなかったなと後で思うほどで。
あとアメリカ人のDさんは日本人ですか?と問いたくなるほど流暢な日本語喋る方で。
ゲームとアニメが好きで日本で英語教師もしていた方だそうで。
この方の仕事っぷりも後日見させてもらって見事だなと思いましたね。
こういう有能な方々がいるのだなあと感心してしまいましたね今回。
アニメ監督のS氏は私と年が近いということで今回仲良くさせてもらったんですが、
彼が今監督している「はじめの一歩」の裏話など色々伺ったりしましたよ。
また彼が演出で参加したという「BECK」の話とか。
(彼もバンド経験者だそうでそういう話で盛り上がりました)
また日本人の方はみな「機内が寒い!」「機内食が多い!」という話をしておりました。
アメリカ仕様ではやはり合わないのですね。
ちなみにレストラン内も凄い寒かったですけどね。


そんな感じで食事会を終えてホテルのスタッフルームに戻り
明日の予定など打ち合わせしつつ飲みつつ、私の「親父の長い一日」が終わりました。
泥のように眠るとはこういうことをいうのかというほど眠りました。
明日からいよいよコンベンションの始まりです。
どうなることやらという感じで。