アラウンド神保町

先日は久々にfwjリハでスタジオに入りました。
我々はいつも神保町のスタジオで練習をしているのですが、
来てみたらちょうど古本市をやっていて。
もうそんな季節かと思った次第です。
もう夜だったので露店は閉店していましたけどね。
思えば去年の古本市の時期にもリハで神保町に来たなと思い出しました。
去年は確かこの時期「森崎書店の日々」という神保町の古本屋を舞台にした映画をこの街で見たのでした。
映画見た後にロケの跡地なんかも見学したりして。
古本好きという設定の田中麗奈が全然古本好きに見えない映画でしたけどね。
お前が真に古本を愛好してるかしてないかくらい一目でわかるぜと思いながら見てました。
1年の経つのは早いものです。
ギター抱えながら夜の神保町をふらふら歩いていると学生時代のこととか色々思い出しますね。
大学時代通っていたし、卒業してからもこの街でたくさんの本やらCDやら楽器やら買い込んだものです。
今でもしょっちゅう足を運んでいます。
一時期自分の企画ライブも神保町の雑貨屋さんで催していましたが、
その店は移転してしまいました。
結構色々なお店がなくなったり新しい店が出来ていたり、
街並みが変わるのですよね。
思い出を語り出したらロマンチックもかくやとばかりに止まりませんが。
この季節の穏やかな日射しの中をゆっくり古本など眺めつつ過ごしたいものだと
お店がほとんど閉まった夜の神保町を歩きつつ思った次第です。


そういえば思い出したんですが、学生時代に神保町の細い路地でキムタクに遭遇したことがあるのです。
あの木村拓哉ですよ、工藤静香の亭主の。
当時私のお気に入りのレトロな雰囲気の路地があって、授業の合間などよくそこを散歩してたんですが。
ある日そこを通ったらキムタクに似た風貌の男が突っ立っていて。
「なんだこいつキムタク意識してるよ、さみーな」と思いながら横を通った際、
「あれ、本物じゃね?」と私の両方のまなこがその男をキムタクであると認識しまして。
き、きむたく!とばかりに思わず二度見をしてしまったのですが、
その私の不審なる眼差しに明らかなる不快感を示しつつキムタクはやはりそこに突っ立っていて。
なんでキムタクが神保町の路地に突っ立っていたのだろう、
神保町の路地に突っ立つという仕事でもあるのだろうか、
神保町の路地に突っ立つだけで時給が発生するなら私もその仕事やりたいのに、
つーかキムタクが時給っておかしくねーかなどと思いを巡らし、
数分して戻ったら近くの会社のOLさんらしき女子が
「本物のキムタクだって!グラビアの撮影みたいよ!」などと噂をしていて、
見れば周辺に結構な見物客がわらわらと現れており、
やはり本物のキムタクだったのかと思うと共に
本当に神保町の路地に突っ立つという仕事だったのかよ〜と思ったのでした。
何のグラビアか忘れましたが、後にその写真を雑誌で確認したのを覚えています。
ああ、この撮影の前に私とすれ違ったんだなと思いながら。
思えば運命のすれ違いだったのかもしれません。
何の運命かはわかりませんが。


今ではその路地も雰囲気ががらりと変わってしまい、
当時のレトロな面影はすっかりなくなってしまいました。
今でもたまにそこを通る度「キムタクが突っ立っていないかな」と彼の姿を探してしまいます。
神保町の路地に突っ立つ仕事のオファーはその後も私の元に来る気配がありません。
いつかやれるのでしょうか。
時給900円くらいで。