失われた左目をもとめて

突然ですが、札幌に来ています。
明日から札幌丸井今井というデパートでの職人展にて実演するのです。
札幌に出てくる直前に軽い(軽くない?)トラブルがあったのですが、
何とか乗り越えて来ました。
人生にはトラブルがつきものです。
日々折に触れそう思うものです。


一昨日のこと、とあるきっかけで鎌田さんと「一杯やりますか」となり、
この間一緒にやった音楽仕事の打ち上げと称して軽く飲んだのですが
(打ち上げ何回やってんだって話ですが)、
ホッピーなんぞぐびぐび飲んだらしたたかに酔っ払ってしまい、
その夜どうやって家に帰り就寝に至ったのか記憶が曖昧だったんですが、
次の朝目が覚めたらちゃんと着替えて布団に寝ていたので
嗚呼流石だね私は〜なんて思いつつ起床し洗顔し、
コンタクトレンズを装着せんとしたところ、
なぜか左目のレンズが所定のケース内に見当たらず。
おや、どうしたことかと洗面器周辺を探るも見つからず、
さては昨夜酔っ払ってレンズを外した時に無意識に落としてしまったのではと
悪い予感で私のハートが満ちたのですが、
いや落ち着け、もう一度じっくり探してみようと
「ぼくのひだりめをしーりーませんかー」なんてブルーハーツの替え歌を歌いつつ、
目を皿にして探すもやはり左目レンズはどこにも見つからず。
床や鏡、台の隙間は勿論、向かいのホーム、路地裏の窓まで探したのに。
(そんなとこにいるはずもないのに!)
最終的にはもうこれは失くしたなあ〜と覚悟を決めたのですが、
問題はその後どうするかなのです。
何しろ次の日から札幌へ出張なのです。
その日のうちに左目レンズを得ないと仕事に支障をきたすのです。
片目の札幌旅になってしまうのです。
とりあえずはいつもレンズを購入しているお店に連絡したら
生憎在庫がなく取り寄せとのことで、
「到着は最速で明日の夕方ですねー」と言われてしまい、
明日の夕方にはもう札幌に着いていなくてはならないので駄目じゃんとなり。
そこで近くの別なコンタクト専門店に赴き、
いっそもう新しいやつくーださいと告げたところ、
眼科での診察を経ないとレンズはうーれない、と逆に告げられ。
そんなわけで急遽そのショップと提携している近くの眼科へ診察に行ったら、
どういうわけか頼みもしないのに目の検査を色々やらされ。
あれ視力計るだけじゃなかったの?と戸惑う私の目を無理矢理開かせ、
眩しい光を当てられ、何か液体を入れられ、写真を撮られ、
挙げ句には「アレルギーでまぶたの裏が充血してるね」と一方的に目薬を処方され、
検査代含めそこそこのお値段を取られたので
何だか解せないなあ〜とライトな憤慨に至ったのですが、
まあ先生にアレルギーと言われてしまったら
(アンニュイな女医さんに『目薬を差すこと。いいわね?』と
村上春樹の小説の台詞みたいなテンションで言われました)、
それは仕方ない目薬を差すしかなかろうとなったものの、
別な女医さんからは「右目のレンズの方もそろそろ替えた方が良いかもね」と勧められ、
また別な女医さんからも「レンズクリーナーを買うと良いわよ」と
汚れ画像を執拗に見せられ特殊なレンズ用クリームを
「ご一緒にポテトもいかがですか?」のテンションで勧められ、
何だこの商魂は、そして女医さんのフォーメーションはとまたも憤慨に至ったのですが、
取りあえずは視力に合ったレンズを探してもらったらショップに在庫があるとのことで、
左目レンズを購入に至り。
しかしショップはショップの方でまた「クリーナーはぜひ強くお勧めです」と
女性店員が言うので仕方なくそれも購入すると告げると、
「今ならこの特殊目薬もお勧めです、一緒に買われる方も多いですよ」と、
アマゾンの「この商品を買った人はこれも買っています」のテンションで勧め、
さらに「洗浄液これ1本で便利なやつまとめ買いが良いですよ」だの
「こちらの薬は普通の薬局では販売してないんです」だの
「こちらはキャンペーン中なのでお得なんです、お勧めです」だの、
次から次へと物を買わせようとしてきやがるので私は閉口し、
「いらないっす!」「や、いらないっす!」の連続で何とかその攻撃をはねのけ、
無事レンズ(とクリーナー)だけ入手するに至ったのですが、
あのアマゾンばりの合わせ買いお勧め攻撃は一体何なのでしょうか。
そしてマクドナルドばりの合わせ診療攻撃は一体何なのでしょうか。
女医さんと女性店員さんによる「買って買って」攻撃に辟易させられつつ、
何とか片目レンズを得ることに成功したというお話です。
もう一生コンタクトレンズを失くす人生を送りませんようにと
七夕は過ぎたけど短冊に願いを毛書でしたためたくなった次第です。
みなさんも気を付け下さい。
教訓としてはホッピーの飲み過ぎに注意ということでしょうか。
(そこなのか。)

そんなわけで札幌に至っています。
新しい左目で。