秋風漫才の夜

10月も末になり、木枯らし1号も吹き
(私五十嵐からしたら名前が似ているので親近感があります)、
秋は深まっていくばかりです。
もう今月はどないやというくらい慌ただしかったんですが、
そんな忙中の関を見つけ、先日はルミネのよしもとの劇場にお笑いライブを見に行って参りました。
東京ダイナマイト、学天即、POISON GIRL BAND囲碁将棋の4組が出場するイベントだったんですが、
前に高橋徹也氏とお笑いの話をしてた時にPOISON GIRL BANDの名前が出て「機会あれば見てみたいです」とのことだったので、
お誘いしてみたら「行きます!」とのことで彼と一緒に鑑賞することになりまして。


彼と新宿で待ち合わせて(彼はそれこそ秋風のように颯爽と現れるのです)とりあえず何か食べますかと相成り。
ミロード内のどこかで良いんじゃないですかーと移動しながら
高橋氏は普段何食べてるのだろうと気になり食べ物トークに及ぶと
「ミロード内のプリンの美味しいお店に行ったことがあります」というスウィーツ男子発言が飛び出し。
さらに「ひつまぶしって名古屋ですよね?」と何故か名古屋飯トークが始まり、
「名古屋の手羽先の有名な店に行ったことありますよ。えーとケンちゃんでしたっけ?」
というので私ははて、そんな店あったかな、
ケンちゃんといえばむしろケーキ屋なのではと思考し、
脳内グーグルで「もしかして 山ちゃん」と導き出し、
「それ世界の山ちゃんじゃないですか?」と言うと
「あ、それです、それです!」とのことで。
世界の山ちゃんは今や全国区で珍しくないし、
新宿にもあったんじゃなかろうかと思いつつ、
山ちゃんケンちゃん間違え事件として心に留めておこうと思った次第です。
(何故に名古屋飯トークに及んだのかは謎のままです)
そんなミロードにて「何か食べたいものあります?」と聞くと
「焼き鳥とか食べたいっすね」とのことで、
そんな大衆酒場然としたメニューはミロードにはないように思われたので、
適当なカフェに入り、チキンの何ちゃらというカフェ飯をいただくに至ったのでした。
(一応鳥を食すという目的は果たせました)
高橋氏が昔コンビニでバイトしてた時に暴走族の集団が店内に入って来て店の商品をがっさーとカゴに入れ、
「これツケで良いよな?」と持って行こうとするのを抵抗するでもなく通報するでもなく
「あ、はいー」と静かな笑みと共に見送ったナイスなエピソードなどを聞きつつ食事をし。
いよいよ漫才鑑賞です。
高橋氏は人生初の生漫才ということで「楽しみー」としきりに言っており。
劇場に着いていざ席に座るとステージの目の前という好位置で、
「こ、こんな近くで見るんですか!後ろに移りません?」と言うので
いや指定席なので移れないですよと軽く説得し、いよいよ開演です。


1番手の囲碁将棋は私も数年前からM-1決勝候補として個人的に挙げていた実力派で。
「もし貧乏になって何もかも失ってもWOWOWだけはやめない」というボケからどんどん飛躍していく展開が見事でした。
このコンビは自然にボケとツッコミが入れ替わって最終的にどっちもボケになって混沌となるのが面白いのですよね。
2番手は学天即で。
個人的にはこのコンビが一番面白かったですね。
ボケの飄々としたキャラに対してのツッコミの切れ味が半端なく、ついつい爆笑してしまいました。
高橋氏も「凄いなあ」と感嘆の声を上げつつ高らかに笑っておりました。
この感じでは今年のTHE MANZAI決勝に残るんじゃないでしょうかね、このコンビ。
で、次はPOISON GIRL BANDで。
野球ネタだったので個人的にはそんなでもなかったんですが
(選手名がわからないからボケがわからないのですよね)、
さすがの持ち味でしたし、ボケの阿部の佇まいと声がもうそれだけで猛烈に面白いのですよね。
(古谷実の漫画から抜け出たような風貌で)
くだらないレトリックが見事に連なる彼らの60分漫才もまた見てみたくなりました。
そしてラストは東京ダイナマイトで。
THE MANZAI2回戦落ちという自虐のツカミからの英会話ネタで、
何回か見たことあるネタでしたが、やはり生で体感すると面白いですね。
この絶対にすべらない空気感はさすがだなと感心した次第です。
最後に危険なネタもぶっこんで来たし。
高橋氏も「ワハハ!」とええ声で笑っておりました。
その後はPOISONに東ダイの松田が加わってのトリオ漫才があり(ひたすらサンマでボケていくポイズン節満載のネタでした)、
学天即がジャスト3分の漫才を披露したり(見事3分に着地させてました)。
東ダイがポイズンのネタをカバーする企画も良かったですね。
(俺たち3人合わせて五木ひろしです!という私の好きな物真似ネタでした)
そして最後は囲碁将棋仕切りの全員漫才で。
漫才というか最早大喜利大会の様相でしたが、くだらなくて面白かったですね。
生の芸人同士の掛け合いを見るのも舞台の醍醐味です。
(司会が元チャイルドマシーンの人で懐かしかったです)
そんなこんなで実力派4組の漫才を堪能しました。


高橋氏は「笑い過ぎて疲れました〜」と初めての漫才鑑賞に疲労した様子でしたが、満足していたようなので良かったです。
劇場を出ると「楽しかったです。じゃっ!」と秋風のように颯爽と去って行きました。
この漫才体験が彼の作風にどう影響するのか楽しみです。
ライブの冒頭「はいどうも〜
高橋徹也です〜」と手を叩きながら漫才口調で挨拶したら驚きですが。
彼が漫才コンビ組むならコンビ名は「山ちゃんケンちゃん」にして欲しい。
そんなことを思いながら帰路に着いた私です。