春巻と雲呑と鎌倉

先日はmolnにてHARCOくんのレコ発ライブ「ゴマサバツアー2015 春の関東編 春巻と雲呑」があり、私もスタッフとしてお手伝いをして来ました。前回の彼の出演はちょうど1年前だったんですよね。「貸切り図書館」の枠で、彼はたくさんの本を持参して来てくれたのでした。もうあれから1年経ったと思うと早過ぎて目眩がするほどですが、その間に私は鎌倉に引っ越し、彼は父親になったりと怒涛の変化があったわけで、1年で色んな変化があるものだなとしみじみした次第です。
彼がここでライブをするのはもう2回目だし慣れたもので、搬入もセッティングもさくさくと進み。リハもバッチリで本番を迎えまして。今回は先日発売された彼の新譜「ゴマサバと夕顔と空心菜」のレコ発ということで、そこからたくさんの曲を演奏してくれました。ラオスでPVを撮影したという表題曲はどことなくトロピカル風味で、かつブラジル音楽ぽくもありジャマイカ音楽ぽくもあり(レゲエアレンジもハマりそう)、国籍のわからぬサウンドながらとてもポップで、文学的な歌詞も相まって彼にしか書けない楽曲だなあと気に入り事前に何回もリピートしてたんですが、今回生で聞けて良かったですね。石本氏の印象的なギターフレーズも秀逸で。(ちょっとジェフ・ベックぽいなと思いました。)
セットは新旧取り混ぜた充実の内容で、「お引っ越し」などは私自身今年引っ越したばかりなのでしみじみと聞き入ってしまいましたし、「バッティングセンター」でのルーパーを使った音響的な試みなど、視覚的にも楽しめました。来月NHKみんなのうたで彼の歌がオンエアされるとのことで、中盤子供向けソングコーナーなどもあり。振り付け入りのしろくまの歌などとてもキュートでしたね。彼自身父親になったということで、今後は歌のお父さんとしての活動も増えるのではないでしょうか。そして終盤には「世界でいちばん頑張ってる君に」も歌ってくれて。これがまた父親になった彼が歌うとひとりに向けてというより自分の家族や仲間たちみんなへの応援歌にも聞こえ、より壮大に感じるから不思議なものです。客席に奥さんもジュニアくんもいたので「嬉しいだろうなあ」と勝手に感情移入してしみじみしてしまった私です。そしてアンコールでは堀込泰行さん、杉瀬陽子さんと共作した「口笛は春の雨」を歌ってくれて。この曲、TBSラジオでよくかかっていたので聞けて嬉しかったですね。(ラジオから知り合いの曲がかかると嬉しいのです。)彼曰く自分ひとりで作るとメロも言葉も詰め込むからこういう曲はなかなか出来ないとのことでなるほどなと思った次第です。今回のギターの石本氏とのコンビネーションは抜群で、デュオながら完成度の高いサウンドを聴かせてくれましたが、さらにリズム隊を加えたバンド編成でも新譜からの曲を聴きたくなりましたね。来月からバンドセットでのツアーも始まるそうですのでぜひたくさんの方にお勧めしたいところです。
終演後にはまだ7ヶ月のHARCOジュニアくんも抱かせて貰ったんですが、ママから私の手に渡った途端にこの世の終わりかというような号泣をし「このおじさん嫌だよう〜」とわんわん泣くので、私は「嫌がるなよう〜」と頬にすりすりするとさらに「だから嫌だって言ってるじゃんかよう〜」とぎゃんぎゃん泣くのでおじさんはすっかりしょんぼりしてしまったんですけどね。抱く時に「ほら本当のお父さんだよ〜」というジョークをかましたのがいけなかったのでしょうか。「本当のお父さんはお前じゃないやいっ、ステージで歌ってるあの人だいっ」とおじさんのジョークに抗いを見せたのでしょうか。そんなジュニアくんは明らかにイケメン顔で、将来YOUはジャニーズだねと勝手に私の中で決定したんですけどね。(両親の意見は聞いていませんが。)奥さんのキンカさんはというとすっかり強く優しいママの顔になっており、キンカさんにもまたライブをして欲しいものだなと思った次第です。この日は石本氏の赤ちゃんも来ており(何とHARCOくんの子とほぼ同時期に生まれたそう)、子供率の高い空間になっておりましたが、そんなライブも良いものです。小さい子も音楽を気楽に楽しめるようなイベントもやってみたいものだなと思った次第です。
また次回HARCOジュニアくんが来た時には号泣されないようにしたいものですが、何か有効な方法はないものでしょうか。小さい子に泣かれないアプリなどがあればダウンロードしたいところですがそんなものはなく。優しい鎌倉のおじさんとして認識されるべく頑張ってみよう(何を?)と軽く決意しながら家路に着いた私です。それこそ世界でいちばん頑張ってる私に。
なれるでしょうか。果たして。