小さな巣をつくるように 巣巣のクリスマスライブ

イブに巣巣にて行われた山田稔明with佐々木真里、草とten shoesによるクリスマスライブも無事終了しました。巣巣の等々力でのラスト営業日となったこの日はぎゅうぎゅうの満員御礼でございました。たくさんのご来場どうもありがとうございました。
思えば巣巣と出会ったのも山田氏経由で、その後もfwjのライブをやらせて貰ったり、絵付けワークショップをやらせて貰ったりとお世話になって来ましたが、まさか岩崎さんと一緒にバンドを始めるとは夢にも思いませんでした。人生とは面白いものです。巣巣に来る度、良い空気が流れている空間だなあと思ったものでしたが、その空間でのラストライブとあっては感慨深いものがあるのです。
そんな記念すべきライブは草とten shoesの演奏から始まりまして。新曲でもあり今年リリースしたアルバムタイトルでもある「月曜日にさえずる」という曲からスタートしました。思えば2年前の巣巣でのクリスマスライブがこのバンドのデビューだったのです。「その時は持ち曲が2曲しかなくて〜」と話す岩崎さん。増えたものです、レパートリーが。そして次にいきなりゲスト高橋徹也さんの登場です。山田氏から「当日タカテツさん来るから歌って貰うんだよね〜」とライトにこき使う発言が出されたので、我々も乗っかろうと思いお誘いしたのです。彼が提供してくれた「波の音が聴こえたら」を一緒に演奏しました。当日のリハで初めて合わせたのですが、あやはご本人とのデュエットに「エモい〜」と興奮し、タカテツさんも「何かエロいっすね〜」と手ごたえある感じで。本番でもバッチリでした。演奏しつつタカテツさんの歌唱の艶に改めて魅了された我々です。
そして巣巣で初めて披露した「夏はまっしろ」と「猫にしか見えない色」を続けて演奏しまして。思えば今年はひたすら草テンレコーディングの日々だったのです。ミックスの確認をしに上野さんのスタジオへと歩いた夏の風景が思い出されました。
そしてクリスマスということで「モミの木」を合間に演奏し、そこからゲストに高橋久美子さんに参加していただきました。久美子さんとの演奏はほぼぶっつけ本番だったのですが、カホンやシェイカーなど打楽器でバンドをぐいぐい引っ張ってくれました。ひとりのパワーが加わるだけで演奏は変わるのです。最後の「草とテンシューズ」では久美子さんの指揮で客席から手拍子もいただき。盛り上がって終えることが出来ました。岩崎さんも自分の店のラストを自分のバンドの演奏で締められて嬉しかったことでしょう。みんなで最後まで駆け抜けました。
そして続いては山田氏の登場です。山田氏も巣巣との出会いやこれまでの歩みを振り返りつつ、多彩なゲストでステージを盛り上げておりました。まずは近藤研二さんを迎えて、2人で共作したというクリスマスソングを披露してくれました。先日この曲の初披露の様子をディモンシュで見ていたのですが(何と本番前日に完成したそう)、もうすっかりレパートリーとして定着してる感があって流石だなと思った次第です。そして真里さんとの美しいピアノ曲を経て、私も1曲「やまびこの詩」でゲスト参加させて貰いました。数年前に山田氏と私とで共同のイベントをやったなあとか、ゴメスのファーストを振り返るトークも一緒にやったなーなどと巣巣でのあれこれを思い出しながらお客さんたちの輪唱を心地良く聴いておりました。
そして再びタカテツさんの登場です。巣巣でのタカテツさんの単独のライブは実現しませんでしたが、山田氏にライトにこき使われて何回も出演しているので(笑)、同じくらいの縁が出来ていると言って良いのでしょう。最早馴染みとなった「幸せの風が吹くさ」でソウルフルな歌声を披露してくれました。そこにさらにカホン高橋久美子さんも加わって「my favorite things」と来れば盛り上がらないわけにはいきません。この豪華な組み合わせたるや。
そして続いてはイラストレーターの福田利之さんが登場してのライブペインティングです。事前に岩崎さんから福田さんに絵付けしてもらうからと頼まれて私が素材の張子を用意したのですが、ご本人もまさかステージ上で、横で誰かが演奏している状況で描くとは思っていなかったことでしょう。山田氏は「我々の演奏を聞くことによって張子の絵付けがさらに良いものに仕上がりますから!」と、クラシック音楽を聞かせて野菜を育てるのと同じテンションで熱弁するも「それとこれ、同じですかね〜?」と冷静にツッコミを入れる福田さんが面白かったですね。困惑しながらも絵付けをする福田さんと、それを横目に傍らで歌う山田氏というレアな光景を見ることが出来ました。
そして続いてヒックスヴィル中森さんも登場し、ディランの「くよくよするなよ」の永井宏さんカバーバージョンを披露してくれました。前に巣巣で片桐はいりさん、カーネーションの直枝さんらと一緒に草テンで出演した永井さんのイベントでも歌われていた曲です。そんなシーンもあったなあと、さらに巣巣での良き思い出が蘇りました。
そして草テンメンバーもゲストに加わりまして。山田先生書き下ろしの「冬の日の幻」を一緒に演奏しました。初披露したあの日から2年、感慨深いものがありました。そしてここで我々草テンチームと山田氏から岩崎さんにサプライズで贈り物を渡しまして。かねてから村長さんになりたいと公言する岩崎さんに酋長さん(?)をイメージしたレイと花かんむりをプレゼントしたのです。「え〜聞いてなーい」とリアクションする岩崎さん。そうです、教えてないのです。それがサプライズなのです。いつも山田氏が岩崎さんを泣かそう泣かそうと演出するも、本人はあっけらかんと笑ってるパターンが多いのですが、流石に今回は涙がキラリといった様子でした。そんな頭上と胸元に麗しき花を、瞳に小さな湖を浮かべた岩崎さんと共に、彼女の著書から生まれた名曲「小さな巣をつくるように暮らすこと」を演奏しライブは大団円を迎えまして。お客さんのラララ、というコーラスが鳴り響き、とても感動的な空間になっていたと思います。こうして等々力に於いての巣巣の歴史に幕が閉じられたのです。物語だったら「第1章完」「第2章へ続く」というテロップが入るところでしょうか。

終演後にはCDにサインしたり、お花やお土産などをいただいたり(本当に感謝です!)、お客さんと交流出来ました。福田さんの描いた張子も素晴らしく、私がコレクションとして欲しいくらいだったのですが、岩崎さんとのジャンケンに勝ったお客さんへとプレゼントされました。福田さんとは私の作ったリンゴの張子に福田さんがイラストを描くというお仕事でご一緒したのですが、ライブでも共演出来て嬉しかったです。みんなに声をかけられる岩崎さん、そして笑顔に溢れる巣巣の様子を見ながら、このピースフルな光景をいつまでも覚えておこうと誓った私です。まあ等々力での営業が終わっただけで、また新しい地で再開しますしね。来月には商品の売り尽くしのセールもあるようなので、ぜひチェックしてみて下さい。
そんなわけで2018年、なかなかに激動な1年でした。来年もそこそこ激動にして行けたらなと思っている私です。頑張りましょう!それではみなさん良いお年をということで。