リモートコント、概念散歩

有事でありながら平時のような、真綿で首を絞められていながらも変わらぬ日常がそこにある不思議な感覚ですが、みなさんお元気でしょうか。

イベントが飛んだり色々ありますが、やる仕事はあるので普通に毎日せっせと働いています。物を作る日々です。molnはお店の営業は自粛していますが、ありがたいことに通販の申し込みをたくさんいただいているので、私も荷作りなどの手伝いに追われています。インスタ配信で商品を紹介して販売するというテレビショッピング的な方法を用いているのですが、みなさん家にいるので割と見てくれるのです。医療、介護などに従事している方への感謝は勿論ですが、我々のような小売業者は宅配など物流に携わっている方へ感謝せずにはいられません。通販という手段がなければ物を売れないし、また買う側として利用出来るからこそみんな安心して家にいられるのですから。国が「自粛して家にいてね、金は出さないけど」というせこい態度なので、何とか色々な方法で生き延びねばなりません。営業している店を責めることは出来ません。自粛していても家賃は発生するのです。やはり自粛要請と補償はセットであるべきなのです。意識高い人たちが政府に期待せず自分たちで出来ることをやろうぜ、こんな時は批判するのはやめようよ、みたいなことを言いがちですが、我々は国に税金を納めているのです。国がおかしなことをしていたらきちんと言わねばならないのです。星野源の横で安倍ちゃんが優雅に犬を撫でお茶をいただく動画に怒りを表明することは大事なのです。しかしあの映像を最初に見た時はコントとしての完成度が高くて怒りの前に腹抱えて笑っちゃいましたけどね。パンがないならケーキを食べれば良いじゃないイズムを天然で演じてしまう無神経さと安倍の間抜けな佇まいの一挙手一投足とダサさと星野源の世界観との落差が。私が一番笑ったのは無の表情でテレビのリモコンいじってるくだりですけどね。あのリモコンいじりの空虚な動作。あの動作の絶妙な尺は優秀な作家の演出が入っているのかと思いました。(リモートワークしてねという隠れメッセージだったらさらに優秀。)あと白いハイソックスとかパンツとか犬とかダサい昭和のお金持ち感と時代の最先端にいる星野源を並べてドヤ顔で出しちゃう辺り。あれを昭恵夫人が「ねえあなた、まずは犬を撫でてみたら」などと演出しながら撮影していたらさらにコントとして完璧だなと思っちゃいました。野爆のくうちゃんとかロバートの秋山とかにパロディして欲しいものです。しかしあれを見ちゃうと、この人は我々庶民の生活に想像を働かせることも出来ないのだなと実感しますね。自分の無策のせいで星野源を生み出したライブハウスや劇場が悲鳴を上げていることが全くわかっていないのですから。
ここ最近は自宅とお店の往復だけで、もう1ヶ月は電車にも乗ってない状態です。行き帰りの散歩がこんなにも楽しいのかと改めて思いますね。イタリアでは犬の散歩以外の外出が制限されているので、犬のぬいぐるみを連れて歩く人も出ているそうです。そのうち犬という概念を連れて歩く人も現れそうです。首輪だけ持って歩き、「あれ犬は?」と聞かれたら「犬という概念がここにあるじゃありませんか。見えませんか?」と。そうまでして散歩したい欲求はよくわかります。諸外国のように強制的にロックダウンしないと意味ないんじゃないかと思いつつ、そうなったら概念を連れて散歩に出てしまうかもしれないと行き帰りの路上の葉桜や春を告げる花々を愛でながら思う私です。
そんなわけで飲みにも行けないので自宅で飲んでいるわけですが、この間飲みながら山田氏のインスタライブを見ていたら「あれ五十嵐くん見てる、五十嵐くーん」と呼びかけられ、「ウェーイ!」と応答し、でろでろに泥酔した動画を全国のみなさんに晒してしまいました。あのインスタの機能、罠ですね。しかも泥酔していたのでよく覚えておらず、次の日にアーカイブを見て愕然とするという。みなさんもお気を付けて下さい。(何にだ)
とりあえずみなさん健康に気を付けてなるべく家にいましょう。たまに概念を連れて散歩するのもおすすめです。ウェーイ。f:id:fishingwithjohn:20200413101256j:image
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