テクノポリス

先日、「1980」っていう映画をDVDで見まして。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督のやつなんですが。
いやーすんごく面白かったですね。
僕は彼の芝居は一度も見たことないので、
偉そうなこと言えないんですが、
さすが舞台の人らしく、室内でのシーンが
とにかくよくできてて面白いんですよ。
セリフのやりとりから、人物の動きから。
まあ元々原作が舞台なので当たり前ですが(笑)。
部室でのドタバタとか、食卓でのやりとりとか。
最後の方の、映画がうまく撮れてなくてみんなで
ヤケになって踊るシーンとかすごい舞台っぽいですよね。
羽根とか飛んじゃって。
(部屋で犬山犬子が旦那役のみのすけと喧嘩して
窓からみのすけが転落しちゃうとことか
もう爆笑しながら見てましたが 笑)
かといって映画ならではの演出やアクションもあって。
及川光博大倉孝二のタクシーに飛び乗るとことか。
(二人のからみもホント面白かったですね。)
あとルービックキューブとか、スライムとか、
なめ猫の免許証とかウォークマンとか、
時代のアイテムも随所に登場して。
あの「免許証見せろ」っていうシーンはその前振りで
なめ猫なんじゃねーの」とかばればれでしたけど(笑)。
当時このネタ考えた人いっぱいいたんでしょうね。
ウォークマンを聞いてる人に(聞こえないからと)
悪口言ったりとか、
テクノカットで登校したら先生に止められたとか、
そういうのって当時経験した人
いっぱいいたんじゃないでしょうか。
やーでもそういう時代的なものをちりばめてはいますが、
青春コメディとして実に普遍的な内容だと思うし、
最後に主人公達が1980年の終わりの夕焼けを見ながら
「あせるよ、置いていかれそうで。」
と吐いたセリフはその当時に青春を過ごしていたケラの、
実感だったのかもしれませんが、
そういう思いっていつの時代も変わらず抱くものでも
あるんじゃないかなと思って。
同じく最後のシーンで、
「占いによると20年後はもっともっと素晴らしい
世の中になってるって。」
というセリフに、彼が有頂天ていうバンドから、
舞台へと20年表現を続けてきた思いみたいなのが
込められてるような気がして、
ちょっとぐっときてしまいましたね。
決して懐古的なだけに留まらない、
「時代を過ごした思い」をエンターテイメントに
昇華した素晴らしい作品だと思いました。
これって最近の若い子が見ても楽しめると思います。
単純に「80年代取り入れた」とかって
レベルじゃなくて、当時を感じていた人が
当時の思いで青春を描くから、
大槻ケンヂの青春小説とかも
だから面白いんじゃないかと思ったりします。
(バンドブームは90年代ですけど)
やー、それにしても蒼井優の聖子ちゃんカットは
ハマりすぎですね(笑)。