オレンジの印象、美学について考察

先日、牛丼なんてものを久々に食してみようと
ちょうど牛丼復活フェアを期間限定でやっていた
オレンジの看板のお店に勇んで出かけたのですが、
はなわの「吉田屋」じゃないですよ)
いざ鼻息も荒く食べてみると、あーこんな味だったっけな、
ジンジャーエール買って飲んだこんな味だったっけな、
みたいなあっさりとした印象しかなく、
まあ牛丼てそもそも気軽に食べてたやつだしな。
こんな勇んで食べるものでもないしな。
とか思いつつもそれなりに牛丼タイムを楽しんだのですが、
しばらくなかったものが復活すると
過度に期待してしまったりするものなんですね。
まあ牛丼は牛丼というわけですよ。


ところで私の後に入って来たおじさんが席に着くなり徐に
カレー丼。」と注文し、店員が申し訳なさそうに
「あのー今日は牛丼しかないんです。」
と言っていたのが印象的だったのですが、
その後大人しく牛丼頼むのかと思ったら
「そっかー、じゃあ豚丼でいいかな。」と続き、
「あのーですから今日は牛丼しかやってないんですよね。」
「えー豚ないんだ?牛だけ?じゃあ牛焼き肉丼。」
「えーですから今日は牛丼しかやってないんですよね。」
とそこまで聞いて私は
松屋行け、松屋!」と心の中で思ったのですが、
あくまで牛丼を頼みたくない反骨精神はどこから生まれるのか
そのおじさんに問いたかったくらいなのですが、
どうしても牛丼に落ち着きたくない理由があったのでしょうか。
結局は「じゃあそれでいいや!」と牛丼に落ち着きましたが
こういう人はとんこつラーメンが売りのお店であえて
塩ラーメンを注文したりするんでしょうかね。
とんこつが売りなのに?どうして塩を?みたいな。
どうせなら豚丼カレー丼を注文するより、
ダブルチーズバーガーセット、コーラとポテトで。」とか
「オールドファッションひとつとオレンジジュース。」とか
「ペペロンチーノとサラダ、スープにグラスワイン」とか、
ないものを注文するという荒技を繰り出すと
吉野家にミラクルが舞い降りたかもしれません。
まあそんなミラクル誰も望んじゃいませんけどね。
前も「ごはんとけんちん汁」とか「サラダとビール」とか、
主要メニューに触れない注文を繰り出す人を見かけて、
あえて丼ものや定食などに触れない美学があるのかもしれない。
なんて思ったのですが、そういうのって勿体ないとか
思ってしまうのはある種貧乏性なんでしょうか。


主役に触れない美学。
そんな深い観念について私はひとり考察したのです、
オレンジの看板の店で。