チェルフィッチュ雑感を、雑感が、記されて、

チェルフィッチュの今作のテーマや表現方法など
大体ご本人のトーク聞いて納得してしまったので
私が個人的に思ったことだけ書いておこうと思いますが、
(まだ公演見てない方はこの先ご注意下さいませ)
私が今回の舞台見て一番引っかかったのが
台詞に意図的に組み込まれた助詞の言い直し、
センテンスの言い澱み、単語の執拗な反復なんですが、
これはそういう言葉の配置の仕方なんだなと理解しつつも
普段から「てにをは」などが気になる私としては
その言葉の言い直し自体にストレスを感じてしまって、
特にひとりの女優さんがそれを喋ると単純に日本語の下手な人に思え、
聞いててちょっと苛々したのですよね。
(他の男優さんが喋るとそんな気に障らないんですが)
これって音響的に言うノイズみたいなものを意識してるんだと思うんですが
サンガツのBGMも台詞を邪魔するタイミングで邪魔なミストーンや
ハウリングが入ってたのでそれも意図的だと思うんですが)
そのノイズの具合が役者によって違うというのが興味深かったですね。
それも全部意図的だと思えてしまうのがこの芝居のすごいとこですが。
(偶然なのかもしれないですけどね)
でもそうやって計算されて構築された言葉の言い澱みや言い直しを
いちいち役者さんに演出するのは大変な作業だろうと思いましたけどね。
細かいミストーンやタイミングのずれなどを譜面に起こして
楽家に演奏してもらうような感じなんでしょうか。
一部笑えるような面白い会話劇のような流麗なくだりもあり、
そこはサービスというか、流麗なギターソロみたいな
わかりやすいとこも作りましたみたいな感じだったんでしょうかね。
この男優さんのフレーズとこの動きをフェーダーでクロスとか、
この台詞にはリバーブかけて、こことそこは右と左に分けちゃって
一部カット&ペーストしてこのフレーズは2小節ループ、みたいに
何となく音楽的なミックスを想定して組み立てている印象も受け、
この人、音楽経験者なんじゃないかと思ったりしました。
一部の台詞だけマイクを通していましたが
あれってエフェクトという概念でやっていると思うんですよね。
(それを言うなら声色もエフェクトの一種ですけどね)
今回は全体的にストイックな楽曲に仕上がったという印象でしょうか。
私としてはワンフレーズでもポップでキャッチーなメロディーがあれば
もっと好きになれたんじゃないかと思うんですけどね。
(アフロのくだりとかは面白かったんですけどね)
「三月の5日間」にはそういうポップさがもっとあったような気がします。
まあ他のは見てないので何とも比較しずらいんですが。
まあでも総じてこれだけのものを作れるのは凄い才能だと
感心させられてしまいました。
見事だと思います。


つーかチェルフィッチュに興味ない方や芝居を見てない人には
面白くないエントリで実に恐縮ですけどね。
メモ代わりに書いておこうと思った次第です。