蕎麦湯的金八卒業贈言葉

「3年B組金八先生」の最終回が2時間枠じゃなかったので
卒業式における卒業証書授与シーンも校歌斉唱シーンもなく、
一気に答辞まで駆け抜けたのは如何なものかと思ったのですが、
視聴率低迷による編成の都合なんでしょうか。
己の母校の校歌も忘れてる私ですが桜中学の校歌は空で歌えるほどで、
今回も卒業生と共に歌おうとギター片手に待機していたのにその出番はなく、
寂しさの余り「禁じられた遊び」をCM中に弾いてしまったほどです。
答辞を全員にやらせるという前代未聞の展開に
最終回に随分冒険を試みたものだなと感心したのですが、
長回しに台詞を噛む者続出で、あれは妙にリアルで面白かったですね。
私としては最後に金八が生徒たちへ言葉を贈るシーンが楽しみで、
これで泣く為に半年間毎回欠かさず見て来たと言っても過言ではなく、
蕎麦湯を飲みたいが為に蕎麦を喰らう心境に似た、
これこそ粋ってやつですよねと主張したいほどの案件なんですが、
今回は漢字一字を生徒それぞれに贈るというネタで、
漢字に込められた意味と生徒のエピソードとを巧みに重ね合わせた
ナイスな言葉連発で良かったですね。
このシーンだけは武田鉄矢氏が自分で台詞を考えるそうですが。
「『歩』は少し止まると書きます。一歩一歩の人になってください」が
個人的には一番ぐっと来た台詞ですかね。
「『優』は人の隣で憂うと書きます」も良かったし。
「南」という字の「牧場の門を開けたところに羊がいる」というイメージも
なかなか新鮮で良かったですけどね。
イガピーに贈った「雅」という字で
「ガーガーと鳴くカラスのような人になりなさい」だけは
如何なものかとちょっと思いましたけどね。
出席番号最初の子が「友」で最後の子が「情」で、
二人合わせると「友情」になるというのも実に技ありという感じで、
この為に二人の友情エピソードを作ったんじゃないかくらいの感じでしたね。
ぜひ参考に全漢字のリストを見ていただきたいものです。
まあ見たところで興味ない人には何だって話ですけどね。


今回のシリーズは実に賛否両論の様ですけども
「授業内容が一番面白いシリーズ」として私は評価したいところです。
自分は国語の授業が大好きだったんだなあとしみじみ思いましたよ。
金八の授業聞きながら。
自分の感受性くらい自分で守りたいところですこれからも。