文房具屋の中心で愛を叫ぶ
文房具屋のペン売り場のTGY（試し書き用紙）の言葉ですが、
今日も大宮の某文房具屋をチェックしてみたら
「困ったなぁ」というぼやきがひっそりと書かれていて、
この人は試し書きする際に思わず心の内が出てしまったのだなと思い、
果て何を困っておるのだろうかと推測しつつ隣を見てみると
そこにもひっそりと「困ったなぁ」とあり、
さらにはその裏側の棚にも「困ったなぁ」と計３つも書いてあり、
一体どんだけ困っているのだこの人は、と
見知らぬ人の困惑の中身を知りたい衝動に駆られたのですが、
結局この人は困ったあげくにペンを購入したのでしょうか。
ひょっとしたらただ「困ったなぁ」と書きたかっただけなのかもしれません。
こういうのはぼやき系のTGですね。
他にも好きな芸能人の名前などを書いてあるパターンもあり、
私が目撃したのが「山P!山P!山P!山P!」という
NEWSの山下くんの名を連呼しているTGでしたが、
面白かったのはこれの下に全く別な人が書いたと思われる
「↑山下プロデューサー」というTGがあったということで、
つまりこれは先に書かれた「山P!」がフリとして機能し、
別な人が「プロデューサー」というボケを加えているという
TGY上に於いてのフリとボケの連続性が生まれている状態であり、
さらにここに「↑プロデューサーじゃねえよ！」というツッコミがあれば
完璧なのになあと私は少し残念に思ったのですが、
こういう紙の上での応酬が出来るのもTGの特徴ですね。
トイレの落書きと違うのは閉鎖性がなく常に人目に晒されてる点で、
あくまでペンの性能を確かめる場所であるという特異性でしょうか。
ネットの掲示板と違って直筆なのも健康的です。
その時の思考がそのまま出るのが面白いのですね。
ちなみにうちのギターのひじきさんはTGYに試し書きする際、
必ずまきぐそを描いてしまいます、と告白してくれましたが、
そういう小学生的な行動がつい出てしまう場所なのでしょうかあそこは。
美大出身だからといって何もそんな所に
アートの手腕を発揮せんでも良かろうものをという話ですが。
ところで写真は「愛って信じる？」という
突然の問いかけが成されたTGで、
これを書いた人は常にこういう自問をしているのであろうかと
その書き主の思考に想いを馳せてしまうのですが、
よく見るとその横に小さく「愛って信じる。」という回答が寄せられており、
愛にまつわるコール＆レスポンスがここに立ち現れているじゃないかと
私は少し感動を覚えてしまったのですが、もうこうなると一編の詩ですね。
文房具屋の中心で愛を叫んだけもの。
といった感じで。
みなさんもTGYの言葉を探してみては如何でしょう。
何かのヒントになるかもしれません。
