読みかけの夏に栞を挟んで

ハードディスクレコーダーの中に残ってた音源を片っ端から聞いてみたんですが、
「くちびるに秋桜」のかなり初期のデモバージョンとか、
某映画の台詞などを抜いて勝手にエディットした曲とか、
その他録音したまま忘却していた曲などが続々出て来て、
懐かしいというか逆に新鮮な気持ちで聞いてしまったのですが、
中でも「遠くに聞こえる花火大会の音」が延々入ってる曲(?)があって、
こういうの録音したなそういえば、という過去に対する感情と同時に
もうすぐ夏だなそういえば、という近い未来に対する感情が生まれ、
夏という季節を巡っての自分の過去と未来への思いが交錯したのですが、
そもそも自分がこういうサウンドを曲にしようと思ったのも、
聞く人が「かつて耳にした花火大会と夏」に懐かしさを覚えたり、
「これから耳にするかもしれない花火大会と夏」に期待を抱いたり、
色々な思いをそこに抱くであろうことを想定して
夏の印象を曲に閉じ込めようとしたのかもしれず、
私は自分でその思惑に引っ掛かった形になったのです。
その花火大会の音はおそらく7、8年前に録音したもので、
雑音交じりのポン、ポン!という過去に鳴らされた破裂音に
「もうすぐ夏だなあ」とこれから到来する季節に想いを馳せてしまいました。
花火大会は今年もあるのでしょう、あちらこちらで。


ところで「読みかけの夏」のPVを久々に見て若いな自分、と思ったのですが、
言ってもたかが3、4年前なんですよね。
この「読みかけの夏」というタイトルはこの2年後くらいに
糸井重里氏に使われてしまったのですが、私の方が先なのです。
読みかけの夏に栞を挟んで。
http://jp.youtube.com/watch?v=KoBE8QDxeDU