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ワンルーム・ディスコ(初回限定盤)

ワンルーム・ディスコ(初回限定盤)

Perfume今年初シングルですが、新生活応援ソングなのですね。
ライムスター宇多丸氏が「引っ越しをテーマにした時点で新しい」と述べておりましたが、
確かに意外に引っ越しアンセムって世の中にそんなにないのですよね。
有名な井上順の「お世話になりました」は下宿を引き払う歌ですけどね。
その貧乏くささ(笑)とは比べ物にならないかっこいいサウンドです。
(「お世話になりました」も大好きですけどね私)
チョコレイト・ディスコ」に於いての「教室がダンスフロアー」という感覚は
完全に「バレンタインデーキッス」の昭和な感じを更新しましたが、
「己のワンルームがディスコ」という感覚の歌もやはり新鮮に感じますよね。
まあ今や携帯プレイヤーで音楽持ち歩くのが定番のスタイルだし、
場所がどこだろうと再生すればその場がディスコになる感覚は音楽好きなら普通にありますけどね。
「ディスコ、ディスコ」の後のきらめくシンセ音が何とも胸キュンです。
歌詞がよりマスに向けてわかりやすく書かれている印象で、
それがコアなファンには物足りなくも感じますが、
ちゃんと彼女たちが中学卒業して上京して来たという自身の物語がなぞらえてあるので
アイドルの歌う応援ソングとして説得力があるし、テーマとしては外してないと思います。
前作の「Dream Fighter」もあまりにストレートな前向きソングでしたが、
あれも「夢を掴んで武道館に立った」という物語を前提にしてるし、
その武道館で初演というのも出来過ぎなくらい良く出来ていたように思います。
ただポリリズムの時のような「え、これやるの?」的な新鮮さは減ってますけどね。
ビジネスとして規模がでかくなってることを考えればそれでも自由さはあるほうだと思いますが。
しかし前作もそうですけど今回の曲も何回も聞いてると「やはり良い曲だなあ」と思えて来るので
中田ヤスタカ氏の作家性には感心させられてしまいますね。
どんな分析の前にもまず「際立って曲が良い」という事実があるから強いのですよね。
カップリングの「23:30」もパーティーのクロージングとかで機能しそうな佳曲ですが、
これってインスト版聞いててもかなり気持ち良いのですよね。
私はcapsuleを聞いたことないのですが、こういう曲ばかりのアルバムがあれば聞いてみたいですよ。
この曲、23:30てことはまだ24時越えてないということで、
これを越えると恋人と一夜を共にする的な意味合いも含まれてると思うんですが、
まだ越えてないのですよね、この時点で。
(「どれほど過ごせばひとつになれるの?」という歌詞があります)
そのうち越える曲が出て来ると思うんですけどね。
彼女たちも年齢経ると大人の女性のセクシーさを出した振り付けや歌詞も必須になると思うのですが、
それがいつくらいになるのかという感じです。
可愛い女の子の仕草の集大成みたいな振り付けもそろそろネタ尽きて来る頃だと思うんですけどね。
3人のキャラだと清潔感のあるセクシーさとか嫌味なく出せると思うし、
Perfumeの歌う大人の恋愛ソングもそれはそれで聞いてみたいですよね。
凄い名曲出て来そうな気がします。