残暑のピンクパンサー

先日国際強盗団ピンクパンサーの構成員が逮捕されたというニュースがありましたが、
(ハジアフメトビチ・リファトとかいう舌を噛みそうな名前の人でしたね)
世界各国で億単位の宝石を巧妙な手口で盗んで行くプロ集団という
そんな映画みたいな人たちが本当に実在するんですね。
やはり彼らが犯行に及ぶ際はピンクパンサーのテーマを心のiPodで再生して気分を高めるんでしょうか。
怪しい足音を思わせるあの曲を。
携帯の着信音や事務所の電話の保留音もあの曲なんでしょうか。
お風呂に入りながら思わず口を出るメロディーもあの曲なんでしょうか。
ドリフの泥棒コントとかでよくかかってたあの曲を。
(向こうの人はドリフでお馴染みなことを知らないでしょうが)
聞くところによるとピンクパンサーのメンバーって世界各国に数百人もいるらしいですね。
「決して人は殺さない」「逮捕されたら徹底黙秘」とかいう決まり事があるそうですが、
狙う宝石の額も億単位だし、俺たちはプロだぜという誇りと自信みたいなものを感じますね。
盗んだバイクで走り出すでお馴染みの盗人が何だかせこく見えてしまいますね。
ルパン三世に銭形警部がいるように、怪人20面相に明智小五郎がいるように、
ピンクパンサーの各主要メンバーにもやはり担当の刑事さんがいるんでしょうかね。
「こらハジアフメトビチ〜」
「お〜い、とっつぁ〜ん〜」
みたいなコミカルなやりとりも時にはあったりするんでしょうか。
「あいつはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。(キメ!)」
みたいな良い台詞をたまに言ったりもするんでしょうか。
その担当の刑事さんは普段からピンクパンサーの逮捕のことばかり考えているので
奥さんから「まるでピンクパンサーに恋してるみたいね」と皮肉を言われたりしてるんでしょうか。
「私にだって宝石のひとつでもくれたって良いじゃない。
そうだ今度ピンクパンサーに依頼してみようかしら!」
「何だと!」みたいなやり取りで夫婦喧嘩に発展したりしてるのでしょうか。
その後仲直りする際には「お前はダイアモンドよりも遥かに美しい俺の大事な宝石さ」
「じゃあ貴方が私を盗んでね!」みたいなベタなやり取りがあるのでしょうか。
その後「ピンクパンサー降臨〜」みたいな。
とっつぁんたら困ったものです。


冷房をつけないことで名の知られた(どこで?)私でさえ、
この連日の残暑攻撃には冷房をオンにしてしまっています。
どうせならこの残暑を盗んでくれはしまいかピンクパンサーよ、
とハジアフメトビチにお願いしてみたりするのですが、
彼は今警察という権力に拘束されていますしね。
残念ながら。
溶けそうな8月の熱気にやられながら私は暑さ泥棒の到着を待っています。
私はバイクは盗みません。
盗むのはあなたの心だけです。(キメ!)