夏を捨てに

今日は夏至ということですが。
季節がいきなり夏になったので驚きましたね。
段階を踏んで徐々に夏めいて来る情緒的なものが欲しかったところですが。
カーテンを開けたら目前に夏全開っ!という感じで。
まだ夏への準備が出来ていなかったので面食らいました。
そうか夏が始まったか、と覚悟を決めた次第です。
猛暑に成るんでしょうか、今年も。


最近歯医者さんに定期的に通っているんですが、
そこの待合室になぜか断捨離関連の本が多くあるんですが、流行っているんですねあれ。
待ってる間つい手に取って見てしまうんですが。
しかしあれって目次を斜め読みしただけでおおよその内容を把握出来てしまいますよね。
要は余計な物を捨ててスマートに生きようみたいなことだと思うんですが。
こんなものに何ページも割いて1500円くらいの書籍にして売る方も売る方ですが
買う方も買う方だなあと思いながら歯の治療を受けているんですが、
こういう断捨離関連の本から真っ先に捨てるべきじゃね?という
おそらく多くの人が口にしたであろうツッコミを私もやはりしてしまいましたね。
ベタながら。
この手の本は数年後ブックオフの105円棚を満たす物件の筆頭だと思うんですが。
まあ言いたいことはわかるしそんな生活様式に憧れはしますけどね。
私はどちらかというと断捨離の対象になるような余計なものに物のあはれというか
趣きを感じる方なのであえて反抗したくなるんですよね。
人間どうしても捨てなくてはいけない場面では自ずと物を捨てるのだし。
あえて断捨離なんて新ジャンルを作って物を捨てろだの整理しろだの言われたくないよお前なんかにと
中指を立てたくなるんですけどね。
パンクな五十嵐が顔を出すんですが。
言葉というのは威力あるよなあとこういう新キーワードが登場する度に思ったりします。
求心力があるからこそここまで流通するのでしょうけどね。
ただ断捨離という言葉にはポエジーがなさ過ぎるような気もするのですよね。
あえてでしょうけど漢字三文字というのが堅過ぎる気もします。
ここはひとつ片仮名にしてダンシャリーみたいな、
人名じみた表記の方が好感持てそうな気がします。
「ダンシャリー伯爵の優雅な日々」みたいな粋な映画も生まれそうです。
だんしゃりとあえて平仮名表記にするのも柔らかくて良いかもしれません。
「和風だんしゃり煮480円」みたいな新メニューも居酒屋に生まれそうです。
もしくは断と捨と離と三文字を分けて表記するトリオ形式も良いかもしれません。
「断って!」「捨てて!」「離して!」とそれぞれ決め台詞を言っての登場で。
そういう戦隊もののドラマも生まれそうです。
きっと「科学戦隊ダンシャリン」みたいなタイトルになることでしょう。
しかし今の現象を見てると漢字の装いとは別にお金の匂いがするのが何だか気になるのですよね。
捨てる関連の漢字を3つも並べておいてそれで商売して金儲けてるの自分、と
「何とか先生の断捨離セミナー」みたいなものを見る度に矛盾のようなものを感じるのですよね。
物には執着しないけどお金には執着するのかいなという感じで。
とにかく物を大切にして大事に身の周りに置いて行くと幸運が舞い込むという
物福運(ぶっぷくうん)みたいな真逆のキーワードが流行れば
みんな逆方向に進んで物を捨てずにどんどん溜め込むのでしょうか。
今度流行らせてみようかしら物福運。
物福運向上のアイテムはこれ!みたいな打ち出し方で商品はいくらでも生み出せそうです。
まあそういう邪念こそ真っ先に断捨離するべきなのかもしれませんけどね。


今年の夏は物を適度に捨てて適度に保管していこうと思っています。
それで良いんじゃないかと思います。