博多ナイト独奏

そんなわけでまだ博多にいます。
最初の2、3日は滅多に来ない博多の街を満喫する気満々で外を歩き回ってたんですが、
数日もいると日常になってしまうものです。
今や仕事が終わったらまっすぐ部屋に帰って鍵盤ハーモニカの練習なんぞしたりしています。
鍵盤ハーモニカを持参して来ているので練習が可能なのです。
博多くんだりまで来てなぜ練習しているのかと問われれば帰ったらすぐライブだからです。
しかも新しい曲の譜面を先日渡されたばかりなのです。
せざるを得ないのです。
しかしホテルは同じフロアーに部屋がいくつも集合しているのであり、
ぴーぴー鍵盤ハーモニカなど吹いていたらうるさいと文句を言われてしまうかもしれません。
「そうおん!」と、「けいおん!」みたいなテンションで開き直ってみても良いのですが、
出来ればトラブルは避けたいところです。
取りあえず布団を頭から被って防音するという作戦を遂行してみたのですが、
布団の中は薄暗く譜面が明瞭に見えないのであり、
しかも布団の中でうずくまっているとまるで土下座をしている様相なのであり、
吹きながら私は誰に詫びを入れているのだろうかすみません申し訳ございませんと
変に卑屈になってしまい演奏に謝罪フィーリングが付随されてしまうのです。
折角の楽しい演奏が台無しになってしまうのです。
そこで考えた末「普通に座って演奏する」という結論に至ったのですが、
まあみんな部屋でテレビ見たりシャワー浴びたりしているのだろうし、
少しの騒音くらい見逃してくれることでしょう。
(隣で『うるさいなあ』と思ってるかもしれませんが知ったこっちゃありません)
今回はクリスマスソングが多く、しかも楽器が鍵盤ハーモニカなので、
廊下で私の演奏を聞いた人は小学校のクリスマス会の余興の練習してやがるなどと
勘違いしているかもしれません。
違うんだよライブの練習なんだよと想いを込めながら吹いているのですが通じているでしょうか。
博多のホテルの一室に私の鍵盤ハーモニカの独奏が響き渡っています。
一足早いクリスマスの到来といった風情で。


しかしもう12月だという事実に目眩のする思いです。
まだ10月の延長くらいでお願いしたいところですが。
聞き入れてもらえるでしょうか。
果たして。