夜の科学 新しい青の時代revisited@恵比寿天窓switch

日々の暮らしに於いてアナログ盤で音楽を聴く習慣になって久しいのですが、自分が関わった音源がアナログ化されるというのはそういう意味でも嬉しさひとしおな訳です。自宅のターンテーブルであの音が鳴らされるという喜び。
この日は山田稔明with夜の科学オーケストラによる「新しい青の時代」のアナログ盤発表記念ライブでした。本当にたくさんのご来場どうもありがとうございました。山田氏が「この日はお祭りだから!」とフルメンバーを集めて、総勢9人が所狭しとステージに上がり、賑やかにアルバム全曲を再現しました。このところベースを担当していた私も今回はベーシストエビちゃんが復活とのことで、久々にギターと鍵盤ハーモニカでの参加となったのですが、リハからもう楽しかったですね。大勢でリリースを祝えて良かったです。
ライブ冒頭から曲順通りに鳴らされる「新しい青の時代」を山田氏の回想トークと共に聴きながら、この作品が発表されてからのここ5年のことを思い出して何だかしみじみしたりもし。あの頃はまだポチが元気で生きていたし、その後山田家にはポチ実がやって来たし、うちにはミル坊が来たし、近藤さんとも一緒に演奏することになったり、年月と共に色々変化があったのだなあと。(亡くなったきょうこさんのことも思い出したりしました。)このアルバムの収録曲をステージで何回も演奏したし、日常で何回も聴いて来たし、この5年で育った想いみたいなものも加味された上で改めてレコード盤という形で贈り直されたような気持ちになりました。2度目のプレゼントというのも嬉しいものです。お客さんも同じような気持ちだったのではないでしょうか。私は昔よく聴いていたCDをレコードで買い直すという一見無駄のような行為をよくするのですが、これも2度目のプレゼントをセルフで行っているということなのです。そこら辺、ぜひ見逃して欲しいところなのです。(私は誰に言っているのでしょうか・笑)
ギターのアルペジオが重なり合う「一角獣と新しいホライズン」、クラリネットとフルートのアンサンブルが美しい「予感」、真里さんのピアノがドラマチックな「月あかりのナイトスイミング」と、アルバムの世界がロマンチックに空間を青に染めておりました。
アルバム再現の後はライブの定番曲を連発し、私は上野さんと鍵盤ハーモニカデュオみたいな感じになったり、みんなでソロを回したり、最後まで盛り上がりました。バンドみんなが楽しそうでしたし、何より山田氏が一番嬉しそうでしたね。レコード好きは自分の音源がレコードになるのが一番の喜びなのだと思います。終演後、ジャケットを手がけた福田利之さんともようやくご挨拶出来ました。
夏の始まりの暑い日差しと熱い演奏の余韻と共にまるで宝物を手にしたような気分で「新しい青の時代」のレコードを持ち帰りました。また私の家のターンテーブルでこの音が鳴らされるのです。帰宅してすぐにミル坊に自慢したのは言うまでもありません。ミル坊は「にゃんだ?」という顔をしてましたけどね。
「新しい青の時代」、アナログ盤を店頭で見かけたらぜひ手に取っていただければということで。