海辺の叙景

先日ライブで共演したばかりの高橋徹也さんですが、新譜のジャケット写真撮影のロケハンをしに鎌倉へ来るというので、我々も案内役として同行することになりました。生憎の雨で足元も悪かったんですが、タカテツさんは「おはようございます!」と颯爽と鎌倉に現れ。とりあえず昼食に蕎麦などいただきながら「ここの海岸など良いと思うんですよ」「ほほう」などと打ち合わせをし。今回テーマはAORとのことで構想を聞き大体の当たりを付け、実際見に行きましょうということになり。天気が良ければ歩いて行ったんですが雨足も強くなって来たのでタクシーを飛ばし、目的の海辺へ降り立ちまして。
折角の海ながら灰色に塗られた曇天が一面に広がり、雨に濡れた砂浜は重たく我々の歩みを阻むのであり、傘を強く打つ雨音を聞きながらロケハンには向いてない天候だなと思いつつ写真を撮りまして。しかし一方でタカテツさんの曲にこんな感じのくすんだ色合いのものがあるよなあ、似合ってるよなあとも思いましたけどね。海の家も一応建っていましたが閑散としており。しかしこんな天気でもサーファーは海に繰り出しており。浜辺に黄色いサーフボードがポツンと置かれていて、灰色だらけの光景に差し色として機能しておりました。雨で崩れた浜辺をそれでも10分ほど歩き(タカテツさんが身軽なので流石ランナーだなと感心した次第です)、ごつい石場を渡り、なかなかのアドベンチャーを経てとある施設に辿り着き。タカテツさんと「うわ、ここも良いっすね〜」と盛り上がり。何だか外国に来てるような不思議な気分になりましたね。私も初めて訪れた場所でしたし。
そんな感じで雨模様ながら何とかロケハンも終わり。問題は帰りなのですが、悪天候の誰もいない海辺にタクシーなど待機しておらず。仕方なくそこから30分ほど歩いたんですが、長いトンネルをオレンジに照らされながら歩いたり、道を間違えて戻ったり、ちょっとした遠足のようで何だか楽しかったですね。子供の頃の話など色々しながら。足元こそびしょ濡れでしたが。
その後私の自宅にタカテツさんを招き。コーヒーなど飲みつつお菓子など食べつつようやく落ち着きまして。仔猫のミルクを見て「おお!動いてる!」と言うタカテツさんにそりゃ動くよと思いつつ、「抱いてみますか?」と渡すと「わ、怖いなあ〜」と躊躇しながらも優しく両手で抱き。おっかなびっくりなその様子がタカテツさんらしかったですね。ミルクには「この人は歌のお兄さんだよ」と教えておきました。
その後のんびり雑談などし、ギターなど爪弾き(うちに遊びに来るギタリストはだいたいギターを弾くというあるあるです)、夕方になって「じゃっ!」と颯爽と帰って行きました。今回のロケハンがジャケにどう活かされるか楽しみです。実際に上がってみたら全然違うものになってたら笑いますけどね。「イラストじゃん!」とか。順調に行けば9月リリースらしいので仕上がりを待ちたいと思います。
歌のお兄さんの新譜のジャケはどうなるのでしょうか。果たして。