同窓の花 貸切り図書館25冊目

先日は恒例のイベント「貸切り図書館」の25回目、比屋定篤子さんをゲストに迎えてお送りしました。たくさんのお客さんにご来場いただき本当にありがとうございました。今回はベースの千ヶ崎さんから「比屋定さんが関東ツアーを行うのでmolnでライブを出来ないか」と打診があり、ならば貸切り図書館の枠で出ていただいちゃおうと実現に至った次第です。比屋定さんは現在沖縄在住とのことで、遠くはるばる鎌倉までやって来てくれたのです。
当日会場のmolnに着くとなぜかfwjバンドのギタリストである五目亭ひじきさんから比屋定さん宛に花が届いており。ホワイ?と思っていると比屋定さんから「五十嵐さん、ひじきさんと一緒にバンドやってるんですって?」と話しかけられ。聞けば比屋定さんはひじきさんの大学時代の同級生で、しかもかなり親しい間柄なんだそうで。ひじきさんも事前に言ってくれれば良いものを当日になって黙って花を贈って来るとは粋な計らいをする男だぜと思った次第ですけどね。
そんなかつての同級生に文字通り花を添えられたライブですが、今回はKIRINJIの千ヶ崎さんを始めショーロクラブの笹子さんにクラリネットの黒川さんという豪華メンバーによる編成で。今回初顔合わせとは思えぬ息の合い方でそれはもう素晴らしかったですね。特に笹子さんの超絶ガットギターは溜め息ものでした。個人的に最近ガットギターでボサの練習をしているので食い入るように手元を見てしまいました。ベースとクラリネットと相まって最高のアンサンブルでしたね。そして比屋定さんの歌声は優しく力強く母性に溢れており。ブラジルから沖縄までを吹き抜ける南風の如きその声を浴びすっかり癒されてしまいました。金延幸子さんに作ってもらったという曲がかっこよかったですね。(金延さんがアメリカ在住というのを初めて知りました)。シティポップス風の曲ではちょっと荒井由美時代のユーミンぽくもあり。お客さんと近いのでちょこちょこ会話などしつつ(千ヶ崎さんが結構大きい声でお客さんと会話していて何かほのぼのしました)、終始アットホームな雰囲気で良かったですね。
本の紹介のくだりでは「1冊だけ持って来ました」とのことで佐野洋子著「100万回生きたねこ」を挙げてくれまして。大人になってから出会った本だそうですが、内容を紹介しながら思わず感極まったのか喋りながら泣いてしまいまして。鼻をぐずぐず言わせながら涙を拭きながらストーリーを紹介する彼女の姿にもらい泣きする方もちらほらいらっしゃいましたね。私はこの本、有名過ぎて読んでないパターンなんですが、彼女の話を聞きながらこれは読まねばなるまいと思った次第です。こういう機会でもないと手に取ることもあまりないですしね。猫を飼い始めたタイミングで紹介してもらえて良かったです。
会場には全国からたくさんのお客さんが集結し。比屋定さんのゆるトークに笑い(浪人時代に見た桜の話とか妙に印象に残りました)、本の紹介トークに泣き、アンコールまで大盛り上がりの2時間でした。楽しかったですね。
終演後「私はまだツアー中なのでお花は五十嵐さん持ち帰って下さい」とのことで、ひじきさんが比屋定さんに送ってくれた花は我が家の花瓶に差されることになりました。鮮やかなその花を見ていると沖縄の風が吹き込んで来るようであり、比屋定さんがMCで話していた桜の花のことなども思い出され、しばしライブの余韻としてテーブルの上にありました。会場には同じく比屋定さんの大学の同級生の方もいらしていたようですが、そういう繋がりって良いよなあなどと思ったりした次第です。
貸切り図書館、次回は11月14日にロンサム・ストリングスさんとスーマーさんをゲストに迎えてお送りします。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。