夏の出口、海辺の音 高橋徹也ライブ

先日はmolnにて催された高橋徹也さんのワンマンライブ「海へ行こうよ」にたくさんのご来場をどうもありがとうございました。今回も私は数曲ゲストという形でギターで参加させていただきました。タカテツさんもmolnではすでに何回もライブをやっているので、リハの段階からホームのようなリラックスした雰囲気で進み。本番もまるで彼の部屋で聞いているかのような親密な空間になっていたと思います。とても良いライブでした。
前回ゲストで参加した時はライブ直前に譜面をメールで受け取り、しかもそれが譜面を写真で撮ったとおぼしきもので、光の反射でコード名がよく見えないという状況の中何とか曲をさらい、いざ本番前のリハで確かめようと思ったら「まあ本番で何とかなるんじゃないすか」とほとんどリハをしないという謎のプレイ(?)によりほぼぶっつけだったんですが、今回は事前に譜面をいただきリハも出来たので個人的には良かったですね。(しかし曲順などは知らされないまま本番始まっちゃいましたが。)今回「夏の出口」という曲を一緒に演奏したのですが、ちょうど時期的にも夏の終わりが感じられる頃でマッチしていたのではないかと思います。この曲、コードを弾いているだけで「わ、タカテツワールドだな」という独特の妖しさと美しさで、一緒に音を添えられて嬉しかったです。途中E-BOWなど使ったり色々試してしまいました。この歌詞に出て来る「きょうだい」は兄と妹の兄妹ではないか?という話をしたら「いやーそこまで考えてなかったですね」とのことでしたが、歌詞カードの表記が何であれ私の中では兄妹というイメージになっているので、それはそれで良いのではないかと思ったりした次第です。この夏よく材木座の夕暮れの海を見に行っていたのですが、海辺を走る幼い子供たちを見る度にこの曲を思い出しておりました。他にも「My Favorite Girl」「夜のとばりで会いましょう」「いつだってさよなら」の全4曲をセッションしました。「いつだってさよなら」の奇妙で切ない歌詞について本番で詳しく聞こうと思っていたのですが、この奇妙で切ない曲がラストのアンコール曲で、トークする間がなかったのが少々残念でしたね。しかし「五十嵐さんのギター良かったですねえ!」とタカテツさんご本人に喜んでいただけたのが何よりでした。楽しいセッションでした。
この日のタカテツさんは曲が終わるごとにMCを挟み、いつもよりトークゾーンが多いなという印象でしたが、客席の受けも良く全体冴えていましたね。私が散髪ネタを喋ったら「いやー、女性に髪を洗ってもらうのは興奮しますね」という謎の喜びポイントを語ったり、某広告代理店への謎の偏見を主張したり、独特のタカテツトークにみなさんニヤリとされておりました。この日は普段やらない曲を演奏したり、新曲を即興で披露したり、いつもとはまた違ったステージになっていて面白かったですね。バンドセットのタカテツさんも勿論かっこよくて最高なんですが、こういう狭い空間での弾き語りで滲み出る魅力というのも確実にあるよなあと再確認した次第です。タカテツさんの曲は海をモチーフにしたものが多く、今回特に海ものが印象に残ったのですが、彼の歌とギターを聞いていると海をゆらゆらと漂っているかのような感覚を覚えるのですよね。海辺の街でこのようなライブを味わえてお客さんも喜んでくれたのではないでしょうか。
終演後、近くのお店で軽く食事したのですが、「打ち上げでホットコーヒーを飲む」でお馴染みのタカテツさんは安定のブラックコーヒー片手にしょっぱい酒のつまみを食べておりました。「そういえばこの近所にゴジラ上陸していましたね」などとシン・ゴジラの話などしつつ。終始楽しい雰囲気で終えられて良かったです。
次回のmolnでのライブイベントは9月4日、貸切り図書館36冊目、カーネーション直枝政広さんをお迎えしてお送りします。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。