トホホ7000円事件

去年高橋久美子さんとツアーを回った草とten shoesですが、年が明けてメンバー全員集う機会がありまして。リーダーの岩崎さんは現在お母さんの住むバリと世田谷の自宅、巣巣用に借りた真鶴と旦那さんの転勤先の富山と4箇所に家があり、あちこちを転々とするプチ旅人暮らしなのですが、この度新しい巣巣を富山で開店する運びとなり。その報告も兼ねて草テン新年会を行うことになりました。

実は昨年末も草テン忘年会をやろうと岩崎さんが都内の某イタリアンを押さえてくれたのですが、当日岩崎さんがインフルエンザに罹ってしまい。やむなく残りの3人で食事したのですが、ひとりキャンセルの旨を連絡しようとお店に何度も電話したものの出ず、仕方なく直接来店時にキャンセルの報告をしたら「事前に電話が欲しかった〜」みたいな面倒くさい女子のような絡み方をされ。「実は何度もお店に電話したのですが出なかったんです」と言うと「昼間は店にいないから電話には出られないし!」みたいなことを言われ、いや仕込みをしてるであろう夕方にちゃんと電話したんだけど出なかったんだよな〜という反論の台詞を飲み込み、「はあ申し訳ありません」と頭を下げて入店したのですが、「急きょひとりキャンセルになったので座席の配置を変えますので!」と店員がこれみよがしにテーブルと椅子をガッタンガッタンいわせながら動かし始め。「え?ひとりキャンセルしただけでそんな配置変える必要ある?」と我々は恐縮し、嫁の不手際を無言の内に責める姑の如き接客にテンションダダ下がりだったのですが、それはもうお店側も仕込みもあるし、当日キャンセルした我々に非があるので仕方がないのです。ありがたいことにキャンセル料は不要とのことで、気持ちも新たに食事したのですが、出て来た料理はまあまあ美味しかったのですが、コースひとり4000円と事前に聞いていたので、「まあこの値段ならこれかあ」という感じなのです。値段のハードルを飛び越えて来ないのです。「お値段以上〜ニトリ!」とはならず「お値段妥当〜ピタリ!」といった具合なのです。「うん妥当妥当!」と何度妥当という単語を頭に思い浮かべたでしょうか。姑にいびられた嫁の反骨精神がくすぶっていたからでしょうか。また料理を出してくれる店員が全身白装束の似非画家のような出で立ちで、私の中の千鳥ノブが即「クセが強いんじゃ〜」とツッコミを入れたのですが、このファッションなら妥当を飛び越えて来ないと釣り合わないのです。天才しか許されない独特衣装なのです。私とあやは料理のお供にワインも2杯ほどいただき。アユミさんも1杯は飲んだでしょうか。それでも「ツアー楽しかったね」などと2019年を振り返り。食事を終えていざ勘定をお願いすると21000円なのです。ひとり7000円なのです。「な、ななせんえんっ?」と我々はビビり、岩崎さんのキャンセル料はかかってないし、サービス料にしては高くないか?それとも姑のいびりか?ワインの値段書いてなかったけどワイン代がそんなにするのか?何勝手に高級ワイン出しとんねん!あとその白装束何なんマジで!と私は店を出て「た、高いわっ!」とブチ切れ、エアちゃぶ台を星一徹のテンションでひっくり返し、7000円は納得がいかねえ!そして我々はキャンセルの電話をかけたんだよう〜と姑の悪口を吐き出す嫁の如き悪態をつき、優しいアユミさんとあやに「まあまあ」となだめられるというトホホな忘年会だったのですが、それ以来の集まりです。
その日鎌倉に草テンメンバー全員が集い、ちょっと良い蕎麦屋に行き、今年もよろしくなどと挨拶しつつ美味しい食事をいただき。2020年の活動について話したり新しい巣巣の構想などを聞き、デザートまでいただいてさあ帰ろうかと相成り。岩崎さんが車で自宅まで送ってくれるとのことでみんなで乗り込み、軽快に走りながらとある道路を通りかかったその時です。岩崎さんが「ここ右折して大丈夫かなあ?」と聞き、車を運転しないあやとアユミさんと私は「あー大丈夫じゃないですか」と軽く答え。いざ岩崎カーが右折してしばらく走っていると後ろから突然パトカーのサイレンが鳴り響き。目の前を1台のバイクが猛スピードで走り去るので「あーあのバイクがスピード違反なのかなあ」とみんなで呑気に話していたら「そこのバン止まって下さい〜!」と岩崎カーが止められたのです。後ろを走るパトカーに。岩崎さんが路肩に寄せ車を止めるとお巡りさんがトコトコやって来て「あのー、さっきの道右折禁止なんですよ〜」と言うのです。ええっ!と衝撃を受ける草テン一同。「免許証見せて下さい〜」と告げるお巡り。こんな都合良いタイミングで追いかけて来るってさては張っていたのか?ねずみ捕りか?ねずみ年だけに?と動揺しているとお巡りは「あの〜交通違反なので2点減点で、違反料7000円払ってもらわなきゃいけないんですよ」と言うのです。「な、ななせんえんっ?」と我々はビビり、そしてマッハのスピードで「た、高いわっ!」とブチ切れ、エアちゃぶ台を星一徹のテンションでひっくり返し、7000円は納得がいかねえ!我々は知らずに右折しただけなんだよう〜と姑の悪口を吐き出す嫁の如き悪態をついたのですが、違反は違反なのです。仕方ないのです。それでも納得いかない私は「政治家の金の不正は有耶無耶になるのに我々庶民からは小金をきっちり取りやがるのかよ〜!」と怒りが湧き上がり。「総理に近い奴はレイプしても逮捕されないし、総理は血税を私物化してもお咎めなしなのに我々庶民からは7000円取るってか!本当に美しい国だこと〜!」と政治批判ヒートアップの私。我々はうっかり右折しただけなのにあちらは道を踏み外しているのです。そんな中優しい岩崎さんとアユミさんとあやに「まあまあ」となだめられるというトホホな新年会になってしまいました。
この忘年会と新年会はトホホ7000円事件としてバンド史に名を残すこととなりました。みなさんもお店選びと交通違反にはお気を付け下さい。そしてそんな草テンですが本年もよろしくお願い申し上げます。(写真はそんな私を励ましてくれているミル坊ココ坊です。)

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