名前のない5月

長いのか短いのか、よくわからない早さで日々が過ぎて行くのです。もう5月も終わるのかと思うのと同時にまだ5月は終わらないのかと思ったりしています。そんな感覚に慣れて来ている自分もいるのです。名前の付けようのない時の流れ。
最近は毎朝ラジオ体操と筋トレを習慣にしていて身体を動かすようにしているのです。ラジオ体操を久々に行うと身体が動きを覚えている部分と「あれ、次は何だっけ?」と迷う部分とがあり、最初は戸惑ったのですが段々慣れて来ました。30年近いブランクがあるのに動きをまだ覚えている辺りにラジオ体操のフォーマットの普遍さと強靭さに驚くばかりです。まだコンビだった頃のバカリズムにラジオ体操をベースにした「ラジオ挫折」というネタがあり、「腕を前から上にあげて大学受験に失敗~」という発声から体操が進むに連れ主人公がどんどん挫折し堕落し、いよいよ借金をするくだりで「正面から受け取るっ!」という威勢の良い掛け声がかかるのですが、いつもその掛け声を思い出しながら体操をしています。バカリズムの相方だった彼はあのネタの中で挫折から立ち直れたのでしょうか。正面からお金を受け取る哀愁ある動きを未だに思い出してしまいます。初期バカリズムの名作。
それでもずっと家にいると運動不足に陥り体重も増加の一途をたどり、毎日体重計に乗りながらその数字の増加に「オーマイガー」などと発したりしています。人の重みが地球に負荷を与える影響は如何程か。このコロナ禍で人類全体の体重は確実に増えたことでしょう。家にずっといると食べることが大きなエンタメになるので3食に気合いが入るのです。酒場にも行けないので自宅酒場や近所の川べりへ出掛けて川Barを開店したりしています。出掛けた帰りに歩きながら酒を飲む帰路Barというのもバリエーションとして。自宅で飲み過ぎて体調を悪くするというよろしくない日もたまにあり、ストレスを酒で回避するのもほどほどが良いのですが。
髪の毛もすっかり伸び、電車に乗って遠方の美容室に行くことも難しいので、伸び切った髪の毛を「野ブタをプロデュース。」の亀梨くんの如くヘアゴムで結んで過ごしているのですが、いざ鏡を見ると亀梨くんとはほど遠いしょぼくれたおじさんがそこにいるので「嗚呼、なぜ私は亀梨くんではなくて五十嵐くんなのだ」と愕然としています。青春をアミーゴする心意気だけはあるのですが。コロナの分だけ伸びた髪。そんなフレーズを歌う者がいても良いような。
アベノマスクは相変わらず届かないし、アベノセイサクは後手後手で保身のやめには迅速に動くという姑息っぷりを発揮し続けており、もういちいちニュースを追うのも疲れるのですが、このコロナ禍がなければ未だその姑息をしれっとブーストさせ続けていたのかと思うと、ある意味良い機会ではなかったのかと思ったりもします。姑息が具現化された存在が国のトップにいて今は有事真っ只中。控えめに言って最悪ですが、我々はタフに生き延びなければならないのです。芸術、文化を愛しながら。
先日上野さんにお願いしていたfishing with johnの曲のミックスが届き、長年完成していなかった曲が完成した喜びを味わっているのですが、最初にベーシックを録ったのが8年前とかなので、1曲作るのにどんだけかかっとんねんと改めて思った次第です。しかし上野さんのミックスによりとても良いものに仕上がり嬉しい限りです。他も良い曲が上がって来ているので、ぜひリリースにこぎ着けたいのですが。
元より細々だったカマクラ張子業もコロナ禍の影響で細細細々々々になったのですが、それでもせっせと働く日々です。先日はいつもお世話になっているミルブックス藤原さんから依頼され、NegiccoのMeguさんへの贈り物のオリジナル招き猫をお作りしたところ、Meguさんご本人がツイッターで紹介してくれました。Meguさんが立ち上げたオリジナルブランドのロゴを入れた特製招き猫なんですが、Negiccoファンの方々にも好評をいただきました。Negiccoの楽曲は好きで聴いてはいたもののあんまりアイドルという認識はなかった自分ですが、今はMeguさん推しでそこんとこよろしくな己がいます。
猫を撫でながら「佐々木、佐々木」と鳴き続ける佐々木バードの声を聞きながら5月を終えようとしています。暑かったり寒かったり服装に迷う月でしたが、みんなあらゆることに迷っているのでそんなものかと思ったりしています。今までにない不思議な5月です。

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