世界一小さな王国、レプラコーンと猫と

違和感を伴いながらも日常が戻りつつあるこの頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。正確には以前と同じではなく「新しい日常」なんでしょうが。先日2ヶ月半振りに電車に乗り、4ヶ月振りに散髪したのですが、普通に電車は混んでいるし、みんな街を出歩いて社会が回っている様子に面食らった次第です。4ヶ月も切らなかった髪の毛は塊となって床に落ち、それはまるで1匹の独立したけもののようであり、コロナが生んだ新しい生き物のように見えたのですが、緊急事態宣言解除を機にそこかしこで髪の毛残骸クリーチャーが増えていることでしょう。そこそこ混んでいる電車に乗りながら、通勤の方は毎日満員電車で大丈夫なのかしらと心配になった次第です。夜の街ばかり攻撃されていますが、昼の電車に乗った人が夜の街に繰り出すのではないのでしょうか。みんな自宅から夜の街へ瞬間テレポートされるわけでもないのに。
日頃からミル坊とココ坊のことを書く機会が多いのですが「ミル」とタイプすると必ず「・エンズ公園」と予測変換が出て、我がアイフォーンはなぜに毎回その公園を推すのかと興味を持って「ミル・エンズ公園」で調べてみたらアメリカはオレゴン州ポートランドに実在する公園でした。直径約60.96センチメートル(2フィート)の円形で、ギネスブックによって「世界一小さな公園」に認定されているのだそうです。もともと街灯の台座として作られたけど実際には街灯は立てられず、街灯を埋め込む穴だけが残され、その穴に『オレゴン・ジャーナル』誌のジャーナリストだったディック・フェイガンが花を植えたのが公園の始まりなのだそう。フェイガンが『オレゴン・ジャーナル』誌で担当していたコラムの題名にちなみ、公園は「ミル・エンズ」(Mill Ends、「必要素材の切れ端、端材」の意)と名付けられたとのこと。
ある時フェイガンがオフィスの窓から外を眺めていると、台座の穴の中をせっせと掘るレプラコーン(アイルランドに伝わる妖精)が目に付き、彼は慌てて下りて行きそのレプラコーンを捕まえた。(レプラコーンを捕まえると願いが叶うとの言われがあるため)。フェイガンは自分だけの公園が欲しい、とレプラコーンに願った。しかし自分の望む公園の大きさについては何も伝えなかったため、レプラコーンはこの小さな穴を公園としてフェイガンに与えたのだ、と。これ以降約20年間にわたり、フェイガンの風変わりなコラムにはたびたびこの「公園」とレプラコーンの親方(「パトリック・オトゥール」と名付けられた)が登場することとなる。(以上、ウィキペディアより抜粋)。

妖精から与えられた世界一小さな公園の名前と猫の名前が被り、予測変換に毎回名前が出て来るだなんて何かの縁かもしれないと思い、公園の花の画像などをあれこれ見ていたら実際にこの公園を訪ねてみたくなりました。この公園はその後移設されたものの現存するとのこと。世界一小さな公園を訪ねる旅だなんて素敵だなあと思うのですが、コロナ以降、いつ旅に出れるのかもわかりません。取りあえずリモートで公園に想いを馳せながらミル坊を撫でています。思えば家猫は家の中だけが世界なので、みんな世界一小さな王国で過ごしているようなものだなと思ったりします。世界中の猫たちが小さな王国で幸せに過ごしてくれることが私の願いです。レプラコーンがいたらそう伝えることでしょう。

日本では妖精が公園を与えてくれるどころか、要請要請ばかりで10万円もなかなか与えてくれません。ここは電通パソナの王国なのかと見紛うばかり。世界一小さな王国こと自宅で猫たちを撫でながら細々と暮らしています。そんな6月です。

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ここがミル・エンズ公園です。