7月のランニングマン

気が付けば7月も半ばを過ぎてしまいました。夏祭りも花火大会も海開きもない特殊な夏ですが、蝉だけは今年も律儀に鳴くのだなと思いながら日々過ごしている私です。蝉も「あれ、今年は何か変だな?」とか気付くのでしょうか。人のいない空間をうずめる蝉の大合唱。短い命を燃やす夏のサウンド。熱波はコロナウイルスを殺すでもなくただただ街の温度を上げて人の気力を奪うのです。新しい夏の到来です。

私はというとこのステイホーム期間に於いてすっかり体重が増え、運動不足極まりない状態になってしまったので思い立ってランニングを始めました。冷やし中華始めましたのテンションで。まずは形から入らないと動くことはなかろうとあやと一緒にウェアとシューズを買いに行き。アシックスだアディダスだナイキだニューバランスだとあちこち見てはあちこちで買い揃えました。スポーツ用品を買うのは何年振りでしょうか。膝をサポートするお高いスパッツみたいなやつもえーい!とばかりに買ったのでもう後戻りは出来ないのです。もう私はランニングマンなのです。
そして私の朝の習慣に「海まで走る」という素敵ぽい項目が加わりました。まるで意識高い系の人のモーニングルーティーンのようではありませんか。「毎朝仕事前にランしてひと汗かいてますねえ〜」とかインタビューで語ってしまいそうな勢いです。誰が何のためにするインタビューかわかりませんが。早速初日に「意識!」「高い!」とお互い部活の如き声掛けをしながらあやと走り出したのですが、走るのに慣れないあやは早々と脱落し「私のことはいいから先に行って!」と窮地に於いてあえて犠牲になり主人公に先へ進むよう促すキャラの台詞みたいなことを言うので、「わ、わかった!」と先に走り海岸を駆けたのですが、中学時代の部活を思い出しましたね。こんな感じで毎日走ってたなと。その後あやもウォーキングで海岸まで追いつき、ふたり朝からサーファーで賑わう海を眺めつつランしたのですが、良いものだなと思いました、運動は。その後急激に全身が筋肉痛に襲われましたけどね。私の筋肉も「あ、俺って筋肉だったわ!」と自分の存在を思い出したのでしょう。

私の時代は運動中は水を飲んじゃいけない世代だったので、当時は喉をからからにして走ってたなあ、あの頃の喉の乾きを潤して返して欲しいわ〜などと思いながらランニング中に水をぐびぐびと飲んでいるのですが、中学時代の喉の渇きを40過ぎてから潤しているようで不思議な気持ちになりました。あの頃の俺、30年後にその喉の乾きは潤されるぞと。コロナを機に始めたラジオ体操も毎日続けているし、運動不足を何とか解消出来ればと思っているところです。
東京の感染者が増え続け、やれ国のせいだ都のせいだと菅ちゃんと百合子ちゃんが責任をなすり合い、安倍ちゃんは明らかに時期尚早なGO TOキャンペーンを始めるなどと言い、東京は除外だ、批判されたらキャンセル分は補償だなどと迷走をこじらせている様相ですが、そんな中政局を読んで麻生ちゃんは政治資金パーティーでフェス並みに人を集めてたりしていて、もう馬鹿を通り越して何だかわからなくなっていますね。「私のことはいいから先に行って!」と己を顧みず世界を救う者はこの国にはいないのでしょうか。嘘のない正義や優しさ。私はそんな色を塗りたく思うのです。この世界に。
この夏は果たしてどんな夏になるのでしょうか。海の家が建たない閑散とした海岸をランしながら思う7月の後半です。

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